浜岡原発、停止でも去らぬ危険=電源喪失なら制御不能も

2011年5月13日(金)、時事通信の記事で、小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)のコメントが紹介されています。

浜岡原発、停止でも去らぬ危険=電源喪失なら制御不能
(2011/05/13-22:18)

以下、転載させていただきます。(小出先生部分太字)

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 中部電力は、政府の要請を受け入れて浜岡原発静岡県御前崎市)を全面的に停止する。東海地震の想定震源域のほぼ中央にあって極めて危険との指摘を踏まえての決断だ。


しかし、定期検査中で核燃料棒を原子炉から保管プールに移していた東京電力福島第1原発4号機ですら地震津波によって冷却用電源を失い、高温の危険な状態に陥った。原因は不明だが爆発に至っている。


 浜岡原発の場合も、運転を停止しても津波の直撃を受ければ制御不能に陥る懸念は排除できず、危険が去ったわけではない。


 これまで中部電は、浜岡原発付近を襲う津波は最大8メートル程度と想定。高さ10〜15メートルの砂丘が堤防の役目を有するとしてきた。しかし、福島での「想定外」の事態を受けて原子炉建屋屋上に非常用発電機を設置するなどの緊急対策の実施に加え、15メートル規模の防波壁の建設を決めた。


 防波壁が完成する2、3年後まで、浜岡原発4、5号機を停止する。燃料棒は原子炉内に当面保管し、その後、定期検査中の3号機、廃炉に向けて停止済みの1、2号機とともに、原子炉内に置き続けるか、燃料プールで保管するか判断する。


 福島第1原発は、稼働していた1〜3号機が地震発生を受けて停止したが、定期検査中で停止中だった4号機を含めて津波により冷却用の電源が失われて事故を起こした。


 浜岡原発も、防波壁が完成するまでは、津波で危険にさらされる状況が続く。小出裕章京大原子炉実験所助教原発は動いていようと止めていようと危険はある。動いているよりは止まった方が危険が少なくなるが、他の原発も(含めて)即刻止めるべきだ」として、原発廃止を訴えている。
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