小沢氏の出馬により、わが国の議会制民主政治は護られた。


【日本一新】  第13号・2010/09/18
◎「日本一新運動」の原点―18・代表 平野 貞夫

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 代表選挙中ほとんど話題にならなかったし、私も意図して発言を控えていたが、
小沢氏の出馬は、
わが国の議会制民主政治の歴史にきわめて重要な意義があったこを、この機会に特筆しておかねばならない。

 衆知のとおり、憲法は国会議員の「会期中の不逮捕特権」(第50条)と「免責特権」を規定している。
これは不当な国家検察権力から議会民主政治を護るために、
議会の歴史に学んだ仕組みであり、
議会主義を採用する国家の普遍的原理である。


 政治と検察はどこの国でも緊張・対立関係にあり、不逮捕特権とは、国民の代表である国会議員の自由な言動を保証するためのものである。強いていえば、議会民主政治が成立する基本的原理でもある。


 小沢氏の「政治と金」は、多くの専門家が指摘するとおり、政権交代を阻止しようとする自民党麻生政権と旧体制検察官僚、さらに小沢氏のメディア改革を阻止したい巨大メディアが、検察がたれ流す情報を駆使して、小沢一郎を政界から追放すべく国民大衆を洗脳したものである。
検察メディアが「小沢は悪人だ」と、ここ一年半に渡って書き続けるとともに、選挙中も、きわめて公正さを欠く「世論調査」で、70〜80%の「小沢は悪人」という、まやかし報道を続けたのである。


 検察は、一説によれば30億円もの税金を使って、一年数ヶ月にわたり、その総力を挙げて捜査した結果が「不起訴」である。
そして社会的市民団体が「検察審査会」に申立て、作為的に「起訴相当」を議決し、小沢氏の「政治と金」を、司法の仕組みに棚上げした。


 国家的危機を回避するために、国民の意思で政権交代を果たした民主党の原点を無視した菅代表・首相に対抗して、代表選に出馬を決意した小沢一郎に、民主党内外から、また主要閣僚からさえも、「検察審査会で結論が出ていない状況で、出馬するべきではない」との合唱が始まったわけである。


小沢氏自身も、「環境の整備が出来ていない」と悩んだ時期があったようだ。
しかし、出馬についての国家的必要性と、支援者の強い要請をうけ、敢然としてその意を決したのである。


 もし、小沢氏の決断がなければ、
これからの不起訴事件でも検察審査会に棚上げし、

有能な議員であり、かつ国家的、社会的必要性があっても、重要な政治活動に参加してはならないという先例を残すことになる。
これこそが憲法が保証する国会議員の自由な言動の原理を侵すのだ。


 小沢氏は、国民大衆・党員・サポーター、そして地方議員も含めて「小沢は悪人」と洗脳されている実情を知りながら、敢えて憲法の原理を護ることを念頭に出馬を決意した。これにより、わが国の議会制民主政治は護られたのである。


このことを、民主党国会議員のほとんどが理解していないことが残念である。 



小沢氏敗北の原因の反省と今後の展開


 代表選敗北の根本原因は、これまで述べたとおり小沢氏の「政治と金」に関する大衆的洗脳が、民主党内に残っていたことである。それでも「党員・サポーター」で約13万票対約9万票(6:4)、「地方議員」でも6:4の敗北である。特種な選挙の仕組みで、見かけの上では大差のように思えるが、その内容は以上のとおりであり、厳しい条件下ではよく健闘したといえる。問題は国会議員で、200人が小沢一郎に投票している。この票には大きな価値があり、これからの小沢氏の政治活動の原動力ともなるだろう。


 転じて、菅票206票の中には「反小沢」に加えて「迷い票」が相当数混じっている。これからの「反小沢」は、あくまでも自民官僚・米国追随を志向して行くだろうが、問題は「迷い票」である。不勉強・不見識・毒マンジュウ・ポスト病などとの批判もあるが、
政権交代の原点をよく考えれば、必ずや目を覚ましてくれると期待している。


 今回の代表選の大きな成果は、小沢一郎という政治家が生命を懸けて「日本一新」の基本理念と政策を国民に提示した。多くの誠実な国民は、日本一新の小沢ドクトリンを評価し期待しているが、これをさらにブラッシュアップする必要がある。小沢グループの国会議員の間では、政策研究組織を再編し本格的に日本一新を推進する動きとなった。

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◎平野代表テレビ出演のご案内(2件)

■放送日時 : 2010年9月17日(金)20:00〜21:00
■番組URL : http://blogos.livedoor.com/feature/
■出 演
  ゲスト:平野貞夫(元参議院議員。議員時代は小沢氏と行動
を共にした。現在は「日本一新の会」代表を務める)
聞き手・池田信夫(経済学者、上武大学経営情報学部
教授、SBI大学院大学客員教授。)


「知恵袋」が語る小沢一郎
14日に投開票が行われた民主党代表選挙で、菅直人氏が新代表に選出され、首相を続投する見通しとなりました。一方、小沢氏を推薦した議員たちの中には「負けた場合は民主党からの離党を覚悟している」などの発言もあり、代表選で敗北を喫した小沢氏の今後の動向に注目が集まっています。
今回のBLOGOS対談は、長く小沢氏と行動を共にしてきた元参議院議員平野貞夫氏を迎え、メディアではあまり語られない小沢氏の実像に迫るとともに、今後の小沢氏・政界の動向を予測します。


■放送日時  9月18日(土)08:00〜  
■番組    日テレ『ウェークアップ!ぷらす
■録画出演