政・官情報をメディアに還流させ"事実"を作る諜報機関、公安組織の全貌


2010年08月21日(土)永田町ディープスロート

  • 驚愕の深層レポート 新たなる公安組織< Ⅰ・S >の全貌 後編 :

政・官情報をメディアに還流させ"事実"を作る諜報機関の「真の目的」 青木理(ジャーナリスト)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1026

  • 驚愕の深層レポート 新たなる公安組織< Ⅰ・S >の全貌 前編 :

「政界情報」「対メディア情報」を掻き集め始めた諜報機関の危険性  青木理(ジャーナリスト)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/974




前編
 『日本の公安警察』の著者が辿り着いた、誰も触れたことのない「世論誘導装置」


 日本最強の諜報機関はどこか。その議論が起こるたびに最有力候補として名前が挙がる公安警察。その深奥で、新たなる諜報部隊が胎動していたことに誰も気づいていなかった―。

[取材・文:青木理(ジャーナリスト)]



 公安警察とは、実に隠微な組織である。世界が東西冷戦構造に支配され、日本国内でも左派勢力が一定の力を持っていた時代、日本の公安警察は「治安維持」と「防共」を最大眼目として組織を極度に肥大化させ、内部には巨大な秘密組織まで育て上げた。


 にもかかわらず、公安警察の組織と活動は厚い秘密のベールに覆われ、実態が外部に伝わることなどほとんどなかった。'91年のソ連解体によって冷戦構造が崩壊し、国内の左派勢力が衰退しても、それは変わらない。公安警察は一部組織の縮小・再編を余儀なくされたものの、内部の秘密組織は今なお強固に維持し、密やかな活動を続けている。


 これから記述していくのは、私が〓んだまったく新しいタイプの公安組織である。しかも、この秘密組織の場合、チヨダとは別の意味で、警察として守るべき一線を完全に踏み越えている。< I・S(アイ・エス) >、あるいは< 07(ゼロナナ) >。その組織は、公安警察内部でそう呼称されている―。
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後編
『日本の公安警察』の著者が辿り着いた、誰も触れたことのない「世論誘導装置」


 諜報機関公安警察には「オモテ」と「ウラ」の極秘部隊が存在する。オモテの<I・S>が集める政界情報は、一見、他愛ない四方山話だ。が、その情報量でメディアを手玉に取り、"世論"を作っていたとしたら・・・。

[取材・文:青木理(ジャーナリスト)]


"世論らしきもの"の正体

 これらが<I・S>の仕業だと断ずることはできない。ただ、<I・S>所属の公安警察官がメディア記者らと頻繁に接触し、異様と思えるほど積極的に情報を流しているのは間違いない。しかも、「ウラ」理事官に率いられた<チヨダ>が厚いベールの向こう側で数々の非合法活動に手を染めてきた事実を鑑みれば、公安警察内部で政治情報の収集を任務とする<I・S>担当者がメディア記者と頻繁に接触し、その情報を還流させることで意図的に"世論らしきもの"を形成するかのような動きに、私は極めて不健全な臭いを嗅ぐ。


 前出した警備局の元幹部ですら、こう吐き捨てる。


「メディアとの接触は情報収集の一環でもあるだろうが、
一方で収集情報を警察に都合の良い世論誘導に使う側面も強い。
狙い定めた政治家の醜聞はもちろん、特定の意図を持った情報を流すことは容易だ。
大体、犯罪と無関係な政治情報を集める<I・S>の活動自体が警察の守るべき一線を完全に踏み越えている」


 繰り返すが、警察がこのような情報活動に乗り出す正当な理由は一片もない。だからなのだろう、警察庁関係者によれば、<I・S>の存在を初めて公にした本誌前号が発売された直後から、警察庁警備局内は大騒ぎになったという。


「国会で<I・S>の活動が追及される事態に備え、これを取り繕うのに躍起となっています」(同関係者)


 だが、国会は与野党の枠を超えて<I・S>なる組織を叩き潰さねばならない。
公安警察が広汎な政治情報を収集し、
それをメディアに還流させるなどという活動を容認すれば、
政治は警察によって牽制、支配され、民主政治が破壊されかねないからだ。


あおき・おさむ
1966年生まれ。共同通信社入社後、警視庁記者クラブで警備・公安担当に。その経験を基に『日本の公安警察』(講談社現代新書)を執筆。’06年からフリーに。著書に『絞首刑』(講談社)など


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是非、全文を永田町ディープスロート[政治を考える]で読んでください。(Mapple)


驚愕の深層レポート 新たなる公安組織< Ⅰ・S >の全貌 後編 : 青木理(ジャーナリスト)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1026


驚愕の深層レポート 新たなる公安組織< Ⅰ・S >の全貌 前編: 青木理(ジャーナリスト)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/974