オバマ、ライト師の発言を批判

オバマが困っているよ。またライト牧師がマスコミに出てきてよけいなことを言うから。彼はエイズは黒人を撲滅しようとしてばらまいた病気だって言っている。」

家のウイザードおじさんが言った。私は既に<Don't Believe The Hype「まやかしを信じるな」>を読んでいたから、かなり平均感覚のとれた状態でウイザードおじさんのレポートを聞くことができた。ライト師はすばらしい発言をした。エイズのことはほんの少しの例としてあげられたことで本筋ではまったくない。


ここ2〜3日、コンピューターを使うのに時間をとられてラジオにもテレビにも接していなかった。
一緒にFOXニュースを見た。
オバマ議員が「この20年でライト師は変わってしまった。彼の発言は対立的なもので、事実ではなく、憎しみが感じられる。」と言った。
そしてFOXニュースで取り上げたライト師の発言はエイズのことだけ。
これは報道としてフェアーではない。
私はFOXニュースがどこを切り取るのか興味があったのだが、「エイズ」を持ち出してきた。一番攻め易いところ、一番まゆつばっぽくまとめられる話題を切り取ってきた。


他の文化をちゃんと学びたいという人は少ない。興味本位で見る人はとても増えてきたが・・・
Don't Believe The Hypeによると「※ライト師は5ヶ国語を話し、2つの修士号シカゴ大学大学院で取得し、アフリカ学・エジプト学にも学識を有し、多文化・多元主義を尊ぶ、卓越した知性を持つ神学博士」だそうだ。(※2008-04-29 記事、ライト師:オバマが大統領になったら、米のためではなく、ポリシーを持ってやれという)より抜粋。


「多文化・多元主義を尊ぶ」学者の意見は一般の人には理解しがたいかもしれない。二カ国語を話すアメリカ人でも、言語を話すだけでは二つの文化を理解したとは言えない。違う価値観を受け入れることはむつかしいことだ。ライト師やオバマ議員のように多文化に揉まれてきた人をよく理解するまでにはアメリカの民度はあがってないかもしれない。


アメリカの政治家ほど「多文化・多元主義を尊ぶ」考え方を世界から求められている国はないのではないか?
他国を植民地にしてそこから略奪した物を自国に持ち帰って自分達の文化に混ぜてきたイギリスやフランス等と違って、アメリカは他国にベースと呼ばれる軍隊コミュニティーを作って、そこにミニチュアのアメリカ街を作ってきた。そこでは本国の衣・食・住が手に入る。そして他国に自分達の食べ物、飲み物をまず只で食べさせ、飲ませて、その後それを売ってきた。
ペプシの重役をしているウイザードおじさんの友人が言っていた。
アメリカが二次世界大戦後ベースを置いた国はすべてコカコーラでそこに後で参入を試みたペプシはなかなか入り込めないと。


オバマ議員の活躍はアメリカがようやく他の文化を理解できる大統領を選び、世界の中で協調していかなければいけないんだと考え始めた下地を示していると思う。アメリカ人も頑張っている。
でも今は過渡期だ。
自分と違う文化も尊重して、それを越えて一緒にやろうというからオバマに共鳴した人がたくさん出た。その反面、叩かれる所も同じ点である。「自分と違う文化を受け入れるのか!オバマ!」とオバマの人気が下がる。
矛盾しているけれど、これも過渡期の宿命。新しいものが出てくる時には必ず体験しなければならないプロセスではないだろうか?