「つぐない」を見て

去年の暮れに話題作「つぐない」を見た。
揺れ動くローティーンの少女の密かな恋。その対象となった青年は姉と恋に落ちる。少女のあこがれの気持ちは憎しみに・・

青年は貴族階級に属していなかった。でも優秀な彼は夢に向かって勉学し、大きな未来が待っていたはずだ。


そこへ兄の友人である若者がやってきて逗留する。だらしのない男だ。主人公のいとこも同居しており、この若い娘と兄の友人がいいかげんなことをしてくれた。少女の母親と兄は、きっと貴族階級の子弟の不始末が世間に知れることをおそれたのだろう(私の勝手な解釈であるが・・)。見て見ぬふりをする。
その犠牲になった若者。
彼がぬれぎぬを着せられた決定的なものは、このローティーンの少女の「うその証言」だったのだ。


そこに戦争が加わる。生々しい過酷な戦争が容赦なく描かれた。
それでも泣く閑もなく息をこらして見ていた。
悲劇の原因を作ったローティーンの少女は作家になり、最後のシーンは彼女のインタビュー。淡々と彼女の少女時代に起きたことを語る。また彼女の心を語る。そこで始めて涙がわっと出てきた。
人間ていうのはなんと・・・・なんと残酷であり、なんとやさしくもあるのか・・・


たしかにいい映画だし、戦争の悲惨さ、人間の心のひだの奥を描いて素晴らしかったけど、見た後2〜3日デプレッション状態。それだけインパクトが強いのだろうが、もう二度と見る気力はありません。


今年のアカデミー賞ゴールデン・グローブを既に獲得したこの「つぐない」の下馬評が一番高いようです。