サンクスギビング デー(感謝祭)の始まりは?

Mapple2005-11-24

今日はサンクスギビング(Thanksgiving Day)。メイフラワー号で来た入植者がインディアンからトウモロコシの作り方等を教わり、生き延びることができた。その感謝が始まりと言われている。
Photograph of a painting signed by artist Jean Louis Gerome Ferris, 1863-1930
http://www.historychannel.com/thanksgiving/?233,39

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サンクスギビングは米国の公式な祭日である。その由来にはいろいろな見解があるが、一般的には 初めてのサンクスギビングは植民地時代初期、ニューイングランドで始まったと言われている。しかし、世界各地で行われている伝統行事の収穫祭を踏襲したもの。そういう流れだったのであろう。

1621年、マサチューセッツ州のプレマス( Plymouth)で行われ、ウイリアム ブラッドフォード知事( Governor William Bradford)がこの日をサンクスギビング デーとし、祈りを捧げ、すべての植民地人(後のアメリカ人 )と近隣のアメリカ原住民(インディアン)と共に感謝を分かち合う日にすると宣言。

ピリグラムス(Pilgrims)というイギリスのキリスト教の一派の人々が入植した プレマス ロックで1621年、ワンパノーグ族(Wampanoag)のアメリカン インディアンの代表者に感謝を述べる式典を催した。彼らが入植者に生存の方法をいろいろ教えてくれたからである。新しい大陸で入植者にとってはわからないことばかり。そんな中でワンパノーグ族は家族ぐるみで生きる術を教えてくれた。彼らは伝統的にどんなに自分たちの食料が少なくても、持つ全てを訪問者に分かち合うしきたりを持つ人々であった。彼らによって生き延びられた入植者たちの感謝の表明がアメリカのサンクスギビング デーの原点であるそうだ。

ニューイングランドで始まったこの習慣は植民地全体に広がり、日にちは各地で様々だったが、1789年初代大統領のジョージ ワシントンによって11月26日をサンクスギビング デーと定めた。

女性誌の編集者 サラ ヘイル(Sarah Josepha Hale)はサンクスギビングを国の祭日にするよう、30年間、知事と大統領に訴え続け、ついに1863年、時の大統領リンカーンによって、「すべてのアメリカ人よ、一つの心、一つの声で団結しよう」というスローガンのもと、この日を国の祭日と指定した。南北戦争で国民が心身共に傷ついた頃のことである。「傷を癒し、新たに力を貯え、平和と和合、静けさ、一つになった喜びを噛み締めよう。大地がもたらす作物と天の恵みに心の底から感謝をささげる」と。

その後は11月の最終木曜日だったが、1939年フランクリン ルーズベルト大統領(Franklin D. Roosevelt)により現在の11月の第4木曜日に定められた。

伝統的なサンクスギビングの食卓は中央に七面鳥が据えられ、その周りにマッシュポテト、グリーンピースクランベリーの甘煮、かぼちゃのパイなどなど。
その年に家族におこった感謝すべきことを思い起こして言葉にし、感謝の祈りを捧げて食事は始まる。

食べきれない七面鳥は次の日も、次の日も、またその次の日も七面鳥。ターキーサンドイッチにしたり、スープにしたり、グレービーを少し変えたりしながら食べる。

ラジオでもテレビでも昨日ニュースになったが、七面鳥料理の付け合わせの野菜の製造会社が「もっと付け合わせを食べてほしい」と、七面鳥のぬいぐるみをきてホワイト ハウスの前でデモを行った。集まった人々に、豆やマッシュポテトやかぼちゃのマッシュしたものを振る舞って好評を博した。

サンクスギビングが来るとアメリカンインデアンとの友好のこの話が出てきて、インデアンから土地を奪い取った歴史の重圧から少しは逃れられて、ほっとしているアメリカ人の横顔をみる思いがする。私の偏見かもしれない。アメリカン インデアンと同じ黄色人種という自覚がなせる視点かもしれない。また、この国で生まれ育ってないから感じられる視点かもしれない。たとえ偏見でもこういう視点は大切にもっていようと言い聞かせている。