米国赤十字の寄付はどこへ?

Los Angels Times 9/27/05
By Richard Waldenの記事より抜粋

先週までにアメリカン赤十字カトリーナ犠牲者への個人寄付が8億260万ドル集まったとのこと。
すべての救護団体をあわせると、12億万ドルになる。その70%は赤十字の管轄になり、FEMA(合衆国エマージェンシー委員会)フィーマをとうしてはっきりしない広範囲の救護団体で使われるようなシステムになっている。そしてFEMAと災害を受けた州が緊急避難所と他の災害契約によって使われた分を赤十字に払い戻す。この契約は関係者の間では知らないものはないが、知らないのは一般大衆だけだ。

911以後、赤十字は10億ドルの寄付を集めた。これは行方不明者の捜索、人々の避難所、消防士、警察官、復旧工事スタッフの食事代に使われた。しかし、911の余波で赤十字の寄付金の行方についてメディアからの解析が始まり騒ぎが起きて、トップが解任され、民主党の元メイン州の議員、ジョージ ミッシェル氏が監督をすることになった。これで寄付金は吐き出されたが、100万ドルがどう使われたかというと:911以降仕事が減ったというリムジンの運転手たちに援助金が、ローアー マンハッタンの住民に水道代、下水代の援助というように直接の犠牲者からかなり拡大されたことに使われた。
1989年のサンフランシスコ ベイエリアの大地震の時は、何百万ドルもの赤十字への寄付金のほんの断片のみが地震で破壊された家に使われただけで、ほとんどはホームレスのシェルター、健康診療所に使われていたことが市長によって発覚された。
カテリーナでは20億万ドルの寄付金を見込んでいるが、30万人の人に割り当てられると、一人約7千ドル渡されることになるが、どうだろうか。赤十字からは一人にドーナツ1個くらいしか配られないのではないか。
地の塩といわれる貴重な15万6千人のボランティアーには、安モテルの宿泊券と衣類と料理用のなべが投げ込まれただけで、給料も支払っていないとか。
そこで、こんな赤十字に寄付するよりも、被災地の地元でしている寄付や、草の根NGOや、何十年も災害地の復興に寄与してきた実績のある国際的な支援組織に寄付を送ることを勧める。

という内容である。
大変ややこしいシステムになっていてこれでは寄付金が動く度に不明金が発生してもおかしくない。もう、これでは赤十字は信じられない、これからは地元に直接おくることにしようと思った。
メキシコ湾沿岸でこのたびのハリケーン リタで街ごと跡形もなく流されてしまった街もある中、家を失い、職場もなくなり、これからどうやって暮らすか、まったくめどが立たない人々が一夜で何万とでてしまった今、赤十字のように人の善意をどぶになげるようなことは許されるべきことではない。
また、こんな不幸な出来事をチャンスと考えて、政治活動の餌にする姿勢もただされなければならないのではないか。首都で起こったイラク戦争反対デモもその目的はいいが、何もこの時期に何百万ドルもかけて仕組まなくても、そのお金は被災者にまわして、後日有志だけで本当の反対デモをした方が訴える力はおおきかったのではないかと思う。
与党の反対さえしていれば、野党の義務はなされていると考える時代ではないのではないか。ミシシッピーもテキサスも共和党である。しかし、ルイジアナ州知事、ニューオリンズ市長は民主党。ことごとくに連邦政府にさからってものごとを遅延させ、あげくに連邦政府を攻撃する。これでは市民の矛先を自分からそむけようと考えていると見られてもしかたない。こういう時こそ党を超えて一体となって人々のことをまず考えてほしかったし、赤十字のような団体の運営の疑惑(?)とFEMAとの癒着(?)をただすいいチャンスだったのではなかったのか。