プーチン大統領「米軍のシリアの空爆は、非合法な行動だ」と。

オバマ政権は今回、個別的または集団的自衛権の行使を認めた国連憲章51条を根拠にシリア空爆を開始したが、突如イスラム国というテロ組織の「壊滅」を掲げて戦争を始めた米国の行動は、国際法的に考えて正当なものなのでしょうか?
プーチンの言葉で改めてここに疑問符がつけられています。

プーチン大統領イスラム国」への空爆を批判NHK News Web 2月10日 5時07分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150210/k10015344091000.html


プーチン大統領イスラム国」への空爆を批判
ロシアのプーチン大統領は、イスラム過激派組織「イスラム国」が勢力を拡大したのはシリアの反体制派を支援してきた欧米に責任があると主張したうえで、現在行われている空爆は、アサド政権の同意を得ていない非合法な行動だと批判しました。


プーチン大統領は、9日からエジプトを訪問するのを前に、エジプトの新聞とのインタビューに応じ、「イスラム国」がイラクとシリアで勢力を拡大したのは、「ひどく無責任な内政干渉と一方的な軍事力の行使の結果だ」と述べ、イラク戦争を主導したアメリカや、シリアの反体制派を支援してきた欧米に責任があるという考えを強調しました。


そして、アメリカ主導の有志連合による「イスラム国」に対する空爆について、「空爆だけで結果を出すことはできない」と主張しました。


そのうえで、プーチン大統領「国連安全保障理事会の決議や、空爆が行われる国の同意もなく、非合法な行動だ」と批判し、「イスラム国」に対する軍事行動を進めるには、国連安保理の決議や、ロシアが支援するシリアのアサド政権の同意が必要だという立場を示しました。


ロシアは、ウクライナ情勢を巡って欧米に対する批判を強めており、イスラム過激派への対応を巡っても欧米との溝が広がりつつあります。

米軍のシリア空爆国際法違反なのか?

the page 2014.10.06 07:01
http://thepage.jp/detail/20141006-00000003-wordleaf


 9月10日にオバマ大統領がイスラム国(IS)の「壊滅」を目標に掲げて新たな「戦争」を開始して以来、米国のメディアは「イスラム国」一色と言えるような戦争報道を行っています。このように連日戦況が伝えられる中で、ロシアが「今回のシリア空爆国際法違反だ」と批判していますが、米国内ではオバマ大統領の今回の決定を法的な観点から批判する声はあまり出ていません。

 突如イスラム国というテロ組織の「壊滅」を掲げて戦争を始めた米国の行動は、国際法的に考えて正当なものなのでしょうか?

【地図】イラクとシリアにまたがる「イスラム国」活動領域


シリア空爆の法的根拠は弱い


 オバマ政権は今回、個別的または集団的自衛権の行使を認めた国連憲章51条を根拠にシリア空爆を開始しました。米国はすでに8月8日からイラク領内にいるイスラム国に対する空爆をはじめておりましたが、イラク政府は米国に対して再三空爆を要請しておりましたし、米国とイラクは安全保障協定も締結していますので、イラクにおける軍事行動は国際法的に特に問題はないと考えられています。


 しかしシリアのアサド政権は米国に対して支援など要請しておりませんので、本来ならば国連安保理の決議がなければ、シリア領内で米国が軍事作戦を行う法的根拠はありません。ところがイスラム国はイラクとシリアの国境をまたがるように広範な地域を支配下に収めて新たな国家の樹立を宣言しています。イスラム国の本部や主要な軍事拠点もシリア領内にあり、そこを拠点に彼らは部隊を動かしてイラク領内での攻撃をしているのです。(以下略)