メルマガ・日本一新  第3号 2010/07/03

      

<メルマガ・日本一新 第3号目次>

◎「日本一新運動」の原点―2  平野貞夫
◎事務局通信 大島楯臣


◎「日本一新運動」の原点―2
日本一新の会・代表 平野貞夫


 平成10年(1998)6月、小沢一郎を党首とする自由党は、
『日本再興へのシナリオ』=「国民が主役の社会」を目指して--------------
二つの世界的激変を認識して、政治にあたることを誓った。
 一つは、東西冷戦構造の終焉である。世界規模の戦争は回避されつつあるが、地域紛争やテロの頻発、核兵器や生物・化学兵器が拡散して、局地的な危険は増大している。もはや国際社会の平和と安全を、特定の国に委ねることに限界がきた。国連の機能を重視し、国際的枠組の中で平和を維持する必要がある。「一国平和主義」は破綻した。


 いま一つの激変は、資本主義の変質である。重化学工業から情報社会へ第三次産業革命が行われた。日本では手をこまねいていても成長する右肩上がりの経済成長時代は終わった。さらに世界に例をみない超少子・高齢化社会に突入した。いかに経済の活力を維持していくか。これまでの高度成長時代の官主導の利権政を改革しなければならない。日本は今、前例のない状況に遭遇している。
 この歴史認識にもとづいて、私たちは「このままでは日本は衰退の道を歩むだけだ。今ほど政治の自己改革と国民の意識改革が求められている時はない」(シナリオ4頁)。と宣言して、必要な改革を
「政治の自己改革」と
「国民の意識改革」とした。


菅首相は去る6月11日、国会での「所信表明」で「90年代初頭のバブル崩壊から約20年、日本経済が低迷を続けた結果、国民はかつての自信を失い、将来への漠然とした不安に萎縮しています」と発言した。


 これが歴史的政権交代を果たした政権トップの歴史認識かと思うと情けなくなる。日本人が自信を失い、将来への不安も持って萎縮している原因を「経済の低迷」とし、聞きようによっては、「バブル経済」を評価しているような発言である。民主党内から批判が出ないのは政党としての理念に混迷があるからだ。


 20世紀から21世紀への世界史的激変は、先に指摘したように
「東西冷戦の終焉による国際社会の構造化」
第三次産業革命による資本主義の変質」である。
日本の衰退の根本原因はここにあり、
そのため
「政治の自己改革」
「国民の意識改革」
実現されなければならないのだ。


 菅首相は政権の座につくや「私は現実主義者だ」と自負した。
真の現実主義なら「理念」と「理想」の繋がりの中で、問題解決へ具体的な展開を提示していく。「官僚はバカだ」といって、その舌の根の乾かないうちに「官僚の能力を活用する」と言い換え、官僚の手の平に乗ることを「現実主義者」とは言わない。


 それは「オポチュニスト」という。

編集担当注=オポチュニストとは、
      日和見主義者。便宜主義者。(広辞苑
      日和見主義者。御都合主義者。(大辞泉大辞林

      風見鶏(Freshペディア)

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