メキシコと米国の国境

カリフォルニア、ベイエリアの話。昨日のローカルラジオ、どこの局だったかな〜。忘れたけど、こんなことを言っていた。
共和党はもともとメキシコとの国境はオープンにしておきたい。それはメキシコ移民という安い労働力が確保できるからだ。企業経営者、資産家にとってそれは必要不可欠なものなのだと...。
ところが最近風向きがかわってきた。テロリストたちがこのメキシコとの国境を自由に出たり入ったりしていることが明白な事実と判明してきて「国境をいつまでも野放しにするな」という意見が共和党の中でも増えてきつつあるということ。
検問所を通るには当然パスポートが必要だが、テロリストのブラックリストの人間かどうかは検問所では判明できないし、彼らの仕事ぶりが怠慢なこともあって素通りされている。後で、あ!ブラックリストの人間が入国した!又入ってきたんだ!と、センターでわかった時にはもう遅い。既にアメリカ国内のどこかに逃げられてしまって、あとの祭り...。
それだけでなくメキシコから米国には歩いて入ってこられる。リオ グランデの川を泳いで入ることもできるし、彼らは「Wet Back」などと呼ばれている。彼らを不法移民と呼び、これが又さらに安い労働力となっている。テロリストはそんなメキシコ人たちの中にも混ざって忍び込んできている。温厚なメキシコ人の中に隠れる過激なテロリスト....。
最近、国の安全のための新しい法律ができて、これによって...言ってみると...自分の家に防犯装置をつけることになる。でも現実は、家のドアー(検問所)からも、窓(歩いて越境)からも、テロリストは入ってきている。これではまるで、ドアも窓も開けっ放しの家に防犯装置をつけているようなものではないかと、この法律の弱点を番組で指摘していた。
...ということで企業の味方=共和党では、安い労働力導入のため国境オープンという意見が今までは主流だったのが、この度、共和党の内部から風向きが変ってきたようだ。この問題ではブッシュの批判派が増えつつある。もしかすると、国境管理の姿勢がブッシュ政権の命取りになるかもしれない...。
安い労働力確保と安全確保とどちらを優先するのか...?
もうひとつややこしいのは、メキシコ、中南米移民は、自由に同胞が米国に入れることを大半が望んでいるので、彼らの票を確保するため国境オープンを守ると叫ぶ政治家もいる。難しいところであるが、共和党民主党も今や、安全確保にプライオリティーをおくほうが多数派になりつつあるようだ。
ラジオは媒体費も広告費も安いし小回りもきく。ホストの個性をはっきり出した番組作り、自由でストレートな意見、電話による視聴者参加と、生々しく活気がありテレビより面白い。これからもアメリカの市井の人々の顔が窺えるようなラジオの話を紹介してみたいと思っている。