町全てが無くなった南三陸町、避難住民の今

The Kahoku Shimpo 2011年03月22日火曜日 志津川小(宮城・南三陸)/毎日の体操で体調維持
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1065/20110322_08.htm


体調維持と気分転換に体操で体を動かす=21日午前10時40分ごろ、宮城県南三陸町志津川

<住所>宮城県南三陸町志津川城場41
<避難者数>552人(21日午前7時現在)
<避難地区>南三陸町志津川十日町、五日町、南町、本浜町、汐見町など


(転載)
 震災直後は1000人を超えていた避難住民も親類宅に身を寄せるなどして徐々に減っている。
 避難所になっている体育館は、地震で建物に亀裂が入り、すきま風が吹く状態。体調維持に細心の注意を払う日々だ。自治会長の高橋長泰さん(57)は「あれだけの災害。みんなが大きなショックとストレスを感じている」と話す。
 避難所内を清潔に保って風邪などの流行を防ぐため、避難住民を45の班に分け、輪番で朝晩、トイレや通路を清掃する。毎日2回の体操で、エコノミー症候群の予防と気分転換に努めている。
 開設した医務室には地元の開業医が詰め、毎日約100人を診察している。
 携帯電話や無線は依然、通じにくい状態が続く。外部と連絡を取るには徒歩や車で移動するしかないが、頼みのガソリンの枯渇で、それも日に日に難しくなっている。
 20日の夕食は、北海道から来たボランティアが温かい料理を提供してくれた。高橋さんは「全国からの支援が本当にありがたい」と感謝の気持ちを忘れない。
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千葉幸子さん(70)南三陸町志津川十日町
 町全てが無くなった。私が住む地域は古くからの自営業者や漁業者が多いので志津川で再起できるのかとても不安だ。

菅原里子さん(32)南三陸町志津川天王山
 4歳の息子がいるが、大人が遊んでくれるので助かった。コンタクトレンズの交換ができず眼鏡もないので困っている。

佐藤秀昭さん(62)南三陸町志津川塩入
 多くの食料や衣類が送られてきて大変ありがたい。足の不自由な父がいるので、トイレのたびに苦労している。

佐藤ゆう子さん(69)南三陸町志津川十日町
 生きていることを親類や知人に伝えたい。町が集団移転を考えていると聞いたが、生まれ育った土地を離れたくない。

蓮沼かな子さん(12)南三陸町志津川天王前
 家は津波に流され、何も残っていない。津波が怖いので海沿いはもう嫌。仮設住宅は山側の高いところに建ててほしい。

臼井恵美さん(34)南三陸町志津川汐見町
 家はめちゃめちゃでも家族5人が無事だったので幸せ。つらいのは髪が洗えていないこと。下着も不足している。

菅原昌子さん(78)南三陸町志津川五日町
 皆さんの支援で食は足りている。ありがたい。過去を振り返っても始まらない。助かった命を大切に前向きに生きたい。

原幸子さん(78)南三陸町志津川南町
 お風呂に入って頭を洗いたい。救援物資の飲み水はあるが、断水のために生活用水が足りない。顔を洗うのもためらう。

西城こゆきさん(89)南三陸町志津川十日町
 息子に車で救い出してもらい、津波で命を落とさずに済んだ。家はもうない。この年で、こんな目に遭うなんて…。

佐藤賢一さん(33)南三陸町志津川五日町
 被災翌日、娘2人を宮城県利府町の実家に預けた。不安がっているようなので、ガソリンを入手したら会いに行きたい。

千葉航洋君(11)南三陸町志津川塩入
 水と食料は足りている。夜の寒さと暗さがつらい。地震前と同じように、友だちと楽しく遊べる日が早く来てほしい。

西城一也さん(51)南三陸町志津川十日町
 家も財産も失い、先のことはまったく考えられない。希望はご近所の支え合い。声を掛け合い、励まし合っている。

芳賀則子さん(54)南三陸町志津川十日町
 風呂に入り、髪や顔を洗いたい。支給される水は飲用。地震後は入浴できず体を拭くのがやっと。限界に近づいてきた。

佐藤稔さん(58)南三陸町志津川十日町
 足りないのは下着類。食料も増え、活動しやすくなった。彼岸の墓参は難しいが、ほかの避難所に親戚を訪ねたい。

千葉忠夫さん(21)南三陸町志津川塩入
 避難所で足湯の設置を手伝った。風呂に入って体を洗いたい。町外の銭湯が営業中とのうわさも聞くが、遠出できない。

佐々木真里子さん(53)南三陸町志津川十日町
 トイレの近くで寝起きしていてマナーが気になる。疲れもたまり、共同生活は難しい。何か希望があればいいのだが…。

佐野清さん(74)南三陸町志津川城場
 医師が各地から順番に来てくれ、薬も2、3日分もらえるので体調は一安心だ。今の一番の願いは入浴。頭がかゆい。

伊沢正由さん(45)南三陸町志津川新井田
 燃料がほしい。特にガソリン。遺体の確認や火葬、被害の小さかった親戚の元へ着替えを借りに行くにも車が頼りだ。

The Kahoku Shimpo 2011年03月22日火曜日
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安否を気遣うお知り合いの方のために、写真もそのまま 全文転載させて頂いた。The Kahoku Shimpoさま ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。
世界中から賞賛される東北人。78歳で、[過去を振り返っても始まらない。助かった命を大切に前向きに生きたい。] とおっしゃる菅原昌子さん。脱帽です。菅原さんはまた[皆さんの支援で食は足りている。ありがたい。]とも.....どうかお元気で長生きしてください。菅原さんは私たち日本人の誇りです。そしてお手本です

「感謝の心は最大の美徳のみならず、あらゆる他の美徳の両親なり。」キケロ(B.C.106〜B.C.43) ローマの雄弁家・政治家・文筆家・哲学者 (Mapple)