尖閣映像「『秘密』として保護するだけの実益があるのか」


高知新聞 2010年11月07日09時00分
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=266870&nwIW=1&nwVt=knd
尖閣映像「秘匿実益あるのか」中央大法学部長

 中央大学法学部長の橋本基弘教授(51)が6日、高知市内で講演し、沖縄県尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件の映像がインターネット上に公開された問題に触れ、「国民の知る権利とのバランスを考え、(映像を)秘密として保護する実益があるのか」と憲法上の観点から、これまでの政府対応に疑問を呈した。

 橋本教授は講演とその後の取材に対し、中国漁船との衝突を撮影したビデオの流出それ自体については現行法上、「国家公務員法の秘密保持義務違反に問われる可能性は高い」とする一方、
憲法が保護する国民の知る権利の観点から、「(政府が)『秘密』として保護するだけの実益があるのか、という点を考えなければならない」と指摘。


 多くの国民が公開を求めている現状を踏まえ、「(外交的配慮や捜査資料であることなどの)事情が国民の知る権利より重いのか」「裁判になった場合、争う余地はある」などと述べた。


 講演会は、同大創立125周年記念として、高知市本町5丁目の高知会館で開催。橋本教授は1991〜2004年の間、高知女子大学高知大学で教授、講師などを務め、県公文書開示審査会委員、県男女共同参画社会推進懇話会委員なども歴任した。