「報道の自由度」ランキング後退の理由、前々からネットで言い尽くされたが、漸くYahooニュースでも取り上げられる!!

ネットでは下記の問題はかなり以前から大問題として取り扱われてきた。


1、「原子力ムラ」によって形成されたメディア体制の閉鎖性と記者クラブ
2、自社の記者を派遣しないで、買った記事を載せる「コンプライアンス・ジャーナリズム」の問題
3、特定秘密保護法の成立


こういう問題にふれない人々にもこの問題を問題として自覚してほしいと思う。


報道の自由度」ランキング、日本はなぜ61位に後退したのか? 日本大学大学院新聞学研究科教授・福田充
THE PAGE 3月4日(水)17時29分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150304-00000004-wordleaf-pol


(略)
しかしながら、2011年の東日本大震災福島第一原発事故の発生の後、2012年のランキングでは22位に下落、2013年には53位、2014年には59位を記録した。そして今年2015年にはついに過去最低の61位までランキングを下げる結果となった。自由度を5段階に分けた3段階目の「顕著な問題」レベルに転落した状況である。

なぜ日本の順位は後退したのか?
 世界報道自由度ランキングのレポートでは、日本の順位が下がった理由を解説している。


ひとつは東日本大震災によって発生した福島第一原発事故に対する報道の問題である。例えば、福島第一原発事故に関する電力会社や「原子力ムラ」によって形成されたメディア体制の閉鎖性と、記者クラブによるフリーランス記者や外国メディアの排除の構造などが指摘されている。


 戦争やテロリズムの問題と同様に、大震災や原発事故などの危機が発生したときにも、その情報源が政府に集中することにより、「発表ジャーナリズム」という問題が発生する。政府が記者会見で発表した情報をそのまま鵜呑みにして報道する姿勢である。また、同様に戦場や被災地など危険な地域に自社の記者を派遣しないで、フリー・ジャーナリストに依存する「コンプライアンス・ジャーナリズム」の問題も重要である。メディアとしての企業コンプライアンスによって、危険な地域に自社の社員を派遣できないという状況から、危険な地域に入るのはフリー・ジャーナリストばかりになるという構造的問題である。


 このような日本のメディアの状況下で
一昨年に成立した特定秘密保護法の成立が日本の順位下落に拍車をかけた形である。
特定秘密保護法の成立により、戦争やテロリズムに関する特定秘密の存在が自由な報道の妨げになるという評価である。日本が置かれる国際状況や、日本国内の政治状況が大きく変化している現在こそ、日本のメディア、ジャーナリズムに自浄作用と改革が求められている。

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福田 充(ふくだ・みつる)
1969(昭和44)年生まれ。コロンビア大学客員研究員を経て、日本大学大学院新聞学研究科教授。博士(政治学)。東京大学大学院・博士課程単位取得退学。専門はテロや災害などメディアの危機管理。内閣官房等でテロ対策や危機管理関連の委員を歴任。著書に『メディアとテロリズム』 (新潮新書) 、『大震災とメディア〜東日本大震災の教訓』(北樹出版)などがある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150304-00000004-wordleaf-pol&p=2