「平和とは戦い取るべき物騒なものではなく、一人一人が力を合わせて優しく守るものだと思う」元特攻隊員が語る

集団的自衛権>シベリア抑留に特攻隊員 元日本兵の危惧
毎日新聞 7月2日(水)13時28分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140702-00000043-mai-pol


集団的自衛権>シベリア抑留に特攻隊員 元日本兵の危惧


 政府が1日、集団的自衛権の行使を認めたことで、自衛隊は米軍などと一緒に海外の戦争に参加したり、戦闘地域で活動したりすることが可能となった。専守防衛という国是の大転換に危機感を募らせる戦争体験者は少なくない。69年前、命の危険を味わった旧日本軍兵士2人に思いを聞いた。【福永方人】


 ◇シベリア抑留兵の宮崎さん「戦争はみじめで残酷」


 「戦争とは国民が殺すか殺されるかという状況に身を置くこと。政府は分かっているのだろうか」。元シベリア抑留兵の画家、宮崎静夫さん(86)は、熊本市北区の自宅でいら立ちをあらわにした。


 熊本県小国町出身。15歳の時に満蒙(まんもう)開拓青少年義勇軍に参加して旧満州に渡り、17歳で関東軍に志願入隊した。終戦後は4年間、シベリアに抑留された。
(中略)

 シベリアでは収容所を転々とさせられた。極寒と飢え、重労働の三重苦。一日の配給が小さなパン1個の時もあった。戦友たちが次々と倒れた。

 行使容認で、自衛隊員が海外の戦場に行く可能性がある。宮崎さんは「人々が熱狂し、一つの方向に流れ始めると、なかなか止められない怖さがある。だが戦争がいかにみじめで残酷か。今の若い人たちには想像できないでしょう」と戒める。



 ◇元特攻隊員の池田さん「空気に流されないで」

 元特攻隊員の美術家、池田龍雄さん(85)=東京都練馬区=も「今後は自衛隊員が派遣先などで殺される恐れもあるが、それを受け止める覚悟が政治家や国民に本当にあるのか」と訴える。


 佐賀県伊万里市生まれ。特攻隊員として茨城県霞ケ浦海軍航空隊で訓練中、17歳の誕生日を迎えた45年8月15日に終戦を迎え、命拾いした。戦後は前衛美術の道に進み、反戦・平和をテーマにした作品も多い。
(中略)


 「戦争が終わった時、国民は本当にもう懲り懲りだと思ったはずなのに、また歴史が繰り返されようとしている。日本人は空気に流されやすい」。池田さんはそうつぶやき、最後に言った。
「平和とは戦い取るべき物騒なものではなく、一人一人が力を合わせて優しく守るものだと思う」

集団的自衛権:列島各地で抗議の声 写真
毎日新聞 2014年07月01日
http://mainichi.jp/graph/2014/07/02/20140702k0000m040163000c/001.html


1. 集団的自衛権の行使容認に反対する抗議集会を鉄柵で囲う警察官と、押し戻す集会参加者=東京都千代田区で2014年7月1日午前、丸山博撮影
2. 集団的自衛権の行使容認に反対し抗議行動する人たち=名古屋市中区栄で2014年7月1日午後、兵藤公治撮影
3. 集団的自衛権の行使を認める閣議決定に抗議する集会に集まった市民ら=札幌市中央区大通公園で2014年7月1日午後、石井諭撮影
4. 閣議決定に抗議する参加者=鹿児島市のJR鹿児島中央駅前で2014年7月1日午後、柳瀬成一郎撮影
5. 原水協の集会で「集団的自衛権の行使容認に満身の怒りを込めて抗議する」と述べる中島絹子・原水爆禁止熊本県協議会理事長(左)=熊本市中央区辛島町で2014年7月1日午後、取違剛撮影
6. 集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議し、デモ行進する人たち=京都市下京区で2014年7月1日午後、宮武祐希撮影
7. 原爆ドーム(左奥)前を出発する集団的自衛権の行使容認の閣議決定に反対するデモ行進=広島市中区で2014年7月1日午後、大西岳彦撮影
8. 首相官邸(奥中央)前で集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に反対する声を上げ、警察官ともみ合う人たち=東京都千代田区で2014年7月1日午後、森田剛史撮影
9. 集団的自衛権の行使容認に反対し首相官邸で抗議行動をする大勢の人たち=東京都千代田区で2014年7月1日午後、矢頭智剛撮影
10. になっても集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に反対し、声を上げ続ける人たち=東京都千代田区首相官邸で2014年7月1日午後、竹内紀臣撮影