原発再稼働に反対の東海村村上村長、三上元湖西市長、小出祐章氏を迎え12/24脱原発サミットin茨城。厳しい選挙結果、それでも脱原発依存を目指す

たんぽぽ舎です。【TMM:No1715】2013年1月10日(木)   転送歓迎


■3.東海村村上村長は、原発再稼働に反対
 |  12/24脱原発サミットin茨城(第二回)に参加して
 |  厳しい選挙結果、それでも脱原発依存を目指す
 └──── 工藤わかめ(たんぽぽ舎会員)


○12月24日(月)、原子力発電、日本発生の地、茨城県東海村で「脱原発サミットin茨城」が村上達也東海村村長、三上元湖西市長、小出祐章氏を迎え、茨城の環境と人を考える会議の主催で行われた。
 冒頭、挨拶に立った村上村長は約800人の参加者を前に「今回の選挙の結果はショックだったが、このようにたくさんの人が集まり、元気づけられている。」と述べた。


 集会は休憩を挟んでの2部構成で1部では、小出裕章氏と三上湖西市長の講演が行われた。
小出氏はいつもながらの理路整然として分かりやすい話し方で、13年前にここ東海村で起こったJCO事故の例を取りながら、原子力の深刻な影響について話した。

また三上湖西市長は、市長として脱原発にリードしていった経過や原発のコストの問題などユーモアを交えながら軽快に話していった。話題は深刻であったが、講師の話に何度も拍手が起こり、会場が沸いた。


○2部では、村上村長、三上湖西市長、小出氏の3氏の参加でパネルディスカッションの形式で討論が進められた。選挙後ということもあり、今回の選挙結果を受けて、どうしていくかが話題となった。

三上氏は自民党自体は脱原発ということは難しいかもしれないが、自民党の中には脱原発を考えている議員もいるので、働きかける必要があると述べた。
村上氏は今後は地域ごとにその地域の特性から政府に対抗していくしかない。

例えば、東海第二原発の場合周囲には100万に及ぶ人々が暮らしているという異常立地である。避難や損害賠償もできない。ただ、脱原発を進めていく場合、交付金については財政でなんとかしていくが、原発関連の仕事をしている人たち、雇用については悩みの種だ。

しかし東海村には21世紀の文化的な施設もある。そうした施設を核とした経済成長一方ではないもの
を大切にしていきたいと述べた。

また小出氏は福島事故は津波だけではなく、地震からも影響があったのではないかという質問を受けて、地震の影響はあったと思う。ただ地震津波があるから、原発は危険というわけではなく、なくても危険なものだ。
今まであった大きな原発事故のうち、地震津波に関係したものは一件、福島の事故だけであり他の3件は地震津波には関係がないと答えた。

 会場からは小出氏に対する質問として放射能汚染の不安を訴えるものが数多かった。
小出氏は、まず子どもを守ることを優先すること。
私たち大人、今までの原子力政策を進めさせた責任のある大人は汚染された食物については食べ、子どもには極力食べさせないよう努力していくべきだと話した。

 話題は多岐にわたり、いずれも貴重なものだった。原発立地での脱原発の集会はとても意義のあるものだったと思う。
 最後にクリスマスイブということで、サンタクロースの扮装をしたかわいい子
どもたちが3氏に花束とクリスマスプレゼントを渡した。プレゼントは3氏に向
けられた励ましのメッセージ。子どもの手からプレゼントを受け取った村上村長
は「69年間で最も良いクリスマスイブ。」とにっこり。原発立地自治体で脱原
発依存を目指す村上村長に最高のクリスマスプレゼントとなったのではないだろ
うか。