経済政策の司令塔に小林喜光・三菱ケミカルホールディングス社長は、諮問会議の役割は「いかに原発を再稼働させるか」と。

たんぽぽ舎です。【TMM:No1715】2013年1月10日(木)   転送歓迎

                          
益相反(竹田茂夫) <本音のコラム>

 昨年の選挙期間中、自民党の日銀たたきに対して、白川方明日銀総裁は理路整然と反論した。だが選挙後に態度が豹変し、自ら不可能とした2%インフレ目標と無制限金融緩和を受け入れてしまう。

総裁罷免を可能にする日銀法改正の恫喝に対して、日銀の政治的独立性を守るため苦渋の選択をした結果だろう。この背後には、セントラルバンカーが選挙の洗礼を受けない専門家集団であるという宿命がある。

 選挙の洗礼を受けないという点では、経済財政諮問会議産業競争力会議等の経済政策の司令塔に続々と起用されている財界人も同じだ。だが、こちらの方は別の深刻な問題を抱えている。

 諮問会議の民間議員の小林喜光・三菱ケミカルホールディングス社長は、諮問会議の役割は「いかに原発を再稼働させるか」だという。
その同じ諮問会議の民間議員には原発メーカー社長が就いている。


 かつて小泉政権などで規制緩和の旗をふった人物は、規制緩和で利益を受ける大手金融業トップであった。当然、利益相反が問題になった。
 政権に協力する財界人に問いたい。企業の利益、国民の利益をそれぞれどのように定義し、どの利益を代表するつもりか。
「GMによいことは米国にもよい」との主張は日本でも成立するのか。国民に説明する義務がある。
(法政大教授)
                      (2013年1月10日東京新聞より)

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