日本は、ドイツ放射線防護令からすると、6倍!! 日本政府は多くの内部被ばくの犠牲者を生むことを承知しての基準で決めた!!


 5.幼児、子ども、妊婦への配慮がない  

乳児食品と牛乳以外の一般食品はおしなべて100ベクレルだ。半分は汚染のない食品で、残り半分がこのレベルぎりぎりの食品を摂取したとする前提で一般食品に割り当てる線量は、1mSv/年から「飲料水」の線量(約0.1mSv/年)を差し引いた約0.9mSv/年としている。これは内部被ばくだけでだ。

 ドイツ放射線防護令では、公衆の年間放射線被ばくの制限値を0.3ミリシーベルトとしている。この基準を守るためには、セシウム137の制限値は子どもと青少年に対しては食品1キロ当たり4ベクレルを、大人は8ベクレルを超えるべきではないと勧告している。それでも年間0.3ミリシーベルト被ばくすると国際放射線防護委員会(ICRP)のリスク数を使用した場合、10万人当たり1〜2人が新たに癌で死亡する結果となる。


  日本は半分は汚染していない食品という前提だから、ドイツ放射線防護令からすると、6倍くらいになるのではないか。日本の年間1ミリシーベルトの被ばく限度はICRPの基準を参考にしている。放射線防護の考えは出来る限り被ばくは最小化するという原則があったが、ICRPは「ALARA(As Low As Reasonably Achievable)」Reasonablyを挿入したアララの原則にすり替えた。合理的、現実的に達成できる限り、低くというもの。「合理的」とは経済性の観点から決められる。


  新基準は明らかに経済性優先で放射線防護がその下に置かれている。日本政府はアララの原則に則って基準を決めている。多くの内部被ばくの犠牲者を生むことを承知しての基準であり、とうてい納得できるものではない。


 6.米、牛肉、大豆については、米、牛肉は2012年9月まで、大豆は12月まで暫定規制値500ベクレルの適用が続く。
  また加工食品については、3月31日までに製造、加工された食品は暫定規制値を賞味期限まで認める 9月30日までに製造、加工された米、肉を原料とする加工食品は賞味期限まで認める 12月31日までに製造、加工、された大豆食品は賞味期限まで認めるとなっているため、2本立ての基準となり、500ベクレルの食品も流通することになる。注意が必要だ。

  それにしても現状は加工食品原料やコンビニ弁当など放射能検査はほとんどされていない。食品企業やコンビニ各社に新基準より厳しい自主基準を定め、放射能検査体制を敷き、数値を公表するよう電話を集中させよう!