閉幕 復活願い、神馬奉納 7/25


河北新報 2011年07月26日火曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/07/20110726t65001.htm



御小人に連れられ、神社の鳥居をくぐる神馬=25日、南相馬市原町区の多珂神社


 国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追」は最終日の25日、福島県南相馬市原町区の多珂神社で、馬を神前に奉納する神事「上げ野馬」を行った。御小人(おこびと)と呼ばれる白装束の男衆が3頭の馬を神社の境内に誘導し、1頭を神馬として神前にささげた。
 野馬追最終日は毎年、同市小高区の相馬小高神社で、裸馬を境内に追い込んで素手で捕らえる「野馬懸」を行う。ことしは福島第1原発事故で小高区が警戒区域になり立ち入り禁止となったため、同神社と同じ宮司が管理する多珂神社に会場を変更。神馬奉納だけを行うことにした。
 後継者不足のため、この数年は県外の馬産地に派遣を依頼していた御小人は今回、地元の騎馬会が担当。避難先の二本松市から参加した山本幸一郎さん(43)=浪江町=は「貴重な経験だったが、やはり来年は騎馬武者として参加したい」と話していた。
 ことしの野馬追は、震災犠牲者を追悼する「東日本大震災復興 相馬三社野馬追」として開催。メーン会場の雲雀ケ原祭場地(南相馬市原町区)が緊急時避難準備区域にあることから、神旗争奪戦などの行事を中止した。