[原発]原発推進事業者に事故を起こせば刑事告発されて犯罪人となることを分かってほしい/福島県民を危険な地域に縛り付けている為政者の行為は犯罪では ?
JanJanBlog 2011年 7月 19日 佐藤栖宇弥
http://www.janjanblog.com/archives/45858
フリーライターの佐藤栖宇弥(さとうすうや)です。
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- 「堂々と大喧嘩出来る」に鳥肌が立った
「検察が嫌疑なしで不起訴処分をした場合、虚偽告訴(罪、刑法172条)で逆に告訴される可能性もあるのでは・・・」今月15日、明石昇二郎氏(ルポライター)と共に、東京電力役員(元役員含む)4名をはじめとする計32名(*1)を業務上過失致死傷罪(刑法211条)などで刑事告発したことを発表した広瀬隆氏(ジャーナリスト)の記者会見中、記者・佐藤は上記の質問をした。
....(中略)この質問に対する広瀬氏の回答は、良い意味で期待を裏切った。
「それはやってもらいたいですね。そしたら堂々と大喧嘩やれますからね」
「どんどん事件にしたいですね」
しっかりとした口調で広瀬氏がこう回答したとき、会場は笑いに包まれたが、私の腕には一瞬にして鳥肌が立った。広瀬氏は本当に腹をくくって、今回の刑事告発に賭けているという強い思いを感じたからである。....(中略)
この会見中、広瀬氏は今回の刑事告発について
- (特に子供達の)被曝による健康被害を食い止めたいこと、
日本全国の原発を運転している事業者の幹部に、こういう事故を起こせば刑事告発されて犯罪人として問われるかもしれないことを分かってほしいこと、
全国の人たちに告発という方法があることを分かってほしいことが目的である
- 放射性物質を放出させたのかはだれか、
福島県民を危険な地域に縛り付けているのはだれかということを考えた上で、彼らの行為は犯罪であるかどうかの白黒をつけたい
- 関係者により証拠が隠滅される前に、捜査に着手してほしい(他記者の質問回答より)
などと話していた。
この日の会見を通して、広瀬氏はこの目的を達成し、国民が被曝することになった原因を作った人たちを司法による処罰を受けさせたいという、ある種の覚悟にも似たような強い気持ちを、十分に理解することが出来た。
もちろん、告発することだけが原発事故へのアクションではないだろう。
私は、今回の刑事告発を『同じ思いを持っている人がいるなら、とにかく行動を起こそう!』という趣旨の広瀬氏からのメッセージであると理解した上で、これを少しでも多くの人たちに伝えたいと思った。
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(*1)「業務上過失致傷罪」で17名、「業務上過失致死傷罪」で15名の告発を行なっている。なお、告発状と両氏の陳述書は、明石氏が代表を務めるルポルタージュ研究所のホームページで閲覧できる。
(*2)集英社新書『原発の闇を暴く』広瀬隆・明石昇二郎共著(2011年7月)
福島第一原発事故に関連し、ジャーナリストの広瀬隆氏とルポライターの明石昇二郎氏が、7月15日、東電幹部や高木義明文部科学大臣、福島県放射線健康リスクアドバイザーの山下俊一氏など合計32名を刑事告発したと記者会見で発表した。
広瀬氏らに「業務上過失致傷罪」で刑事告発されたのは、福島県の放射線健康リスクアドバイザー山下俊一氏、放射線影響学を専門とし原子力安全委員会の久住静代氏、高木義明文部科学大臣や放射線専門家ら計17名。「業務上過失致死罪」で、刑事告発されたのは、東京電力の勝俣会長や清水社長、原子力安全委員長の斑目春樹氏など計15名。
広瀬氏は、福島第一原発の事故後、3月20日から山下氏らが100ミリシーベルトまでは安全であると繰り返し、福島の人々に被ばくを強要させてきたと批判。「犯罪であるということをはっきりさせたい」と訴えた。