食べるものがなくなるというのは、他の国に首根っこを押さえられることでもある


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森まゆみさんに聞いた(その2)
里山で畑をやりながら考えたこと

地元・谷根千での活動の一方、
ここ数年は、「畑仕事」に通っている宮城県にも、
新しいネットワークが生まれつつあるという森さん。
日本の「農」と「食」について、
そして現在の政治状況についてもお話を伺いました。

もり・まゆみ
作家・編集者。1954年生まれ。早稲田大学政経学部卒業、東大新聞研究所修了。出版社勤務の後の1984年、友人らと東京で地域雑誌『谷中・根津・千駄木』(谷根千工房)を創刊、2009年の最終号まで編集人を務める。主な著書に『円朝ざんまい』(平凡社)、『東京遺産』(岩波新書)、『起業は山間から』(バジリコ)、『女三人のシベリア鉄道』 (集英社)、『海に沿うて歩く』(朝日新聞出版)など。歴史的建造物の保存活動や戦争証言の映像化にも取り組む。


自分で食べるものは、自分たちでつくろう


編集部

 先ほどお話のあった『自主独立農民という仕事』は、1960年代ごろから有機農業に取り組み、「木次乳業」を創業して日本初のパスチャライズ(低温殺菌)牛乳を世に送り出した佐藤忠吉さんの一代記ですね。


 これから日本の農業がどうなるのかというのにはとても興味があって。それは日本がどうなるのかということなので、農業の本はもう1冊くらい書きたいなとも思っています。
たぶんこの問題での師匠である、結城登美雄さん(注)の聞き書きになると思います。


 やっぱり、このままいくと農業はやる人がいなくなる。
今農業に従事してる人はどんどん年をとっていくわけだし、若い人がどうそこに参入していけるのかですよね。
例えば都会で仕事をする中で鬱になっちゃった人や、仕事の見つからない人が、何か自然や農業に絡んだ形で自分が納得できる道を見つけられないかな、ということを考えています。


 これって、平和問題にも深くかかわってくることでしょう。
「日本は先進工業国なんだから、先端工業だけやってりゃいいじゃないか」なんてことをテレビで言ってたりするけど、とんでもない話ですよ。
食べるものがなくなるというのは、他の国に首根っこを押さえられることでもあるんだから。

(注)結城登美雄さん…民俗研究家。住民を主体にした地域づくりの手法「地元学」を提唱し、宮城県を中心に東北各地で地域おこしの活動を行っている。『山に暮らす海に生きる』(無明舎出版)、『地元学からの出発』(農村漁村文化協会)などの著書がある。


編集部

 食べるものがなければ、それを求めて争いをせざるを得なくなる可能性もある。
安全保障という意味でも、自分たちの食べるものを自分たちで作るというのは、とても重要ですよね。


 だから、それをやれる条件をどうつくるかということです。今、農業をやってる人の中でも、農協を離脱して直売所で生産物を売るとか、都市のお客さんに直送で売るということをし始めてる人が増えてますよね。そういう仕組みをもっともっとつくっていかないと。


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まずは「身近なところ」からの取り組みを


編集部

 さて、現在の民主党政権の政策についても、最後に少し伺いたいと思います。
森さんは群馬県八ッ場ダムの建設中止問題などにもかかわられていましたが、民主党政権交代が実現した2009年衆院選挙のキャッチフレーズだった「コンクリートから人へ」を、今回の参院選マニフェストからも外してしまいましたね。


 あれは外すべきではなかった、と思いますね。
せっかくいいフレーズなのに。
地方の建設業も体質が変わらなくてはいけません。
その他にも、現金での子ども手当より保育所、育成室などの整備の方が大事だと思うし、納得のいかない政策はいくつもあります。
でも、 「天下りをなくす」は徹底的にやってほしい。
ここで民主党を見捨ててまた自民党政権に戻ってはほしくない。
あれは男権的、世襲的、権威的、強者追随の政治でしたから。あきれつつもなんとか(民主党政権を)支えよう、という感じでしょうか。


編集部

 鳩山前首相退陣の大きな原因の一つになった、沖縄・普天間基地の「移転」問題についてはいかがですか。


 鳩山さんがはじめて沖縄の痛みに寄り添おうとした、その言葉は重いです。
私は基地は全部なくして、アメリカには出て行ってもらいたい、と素直に思っています。


核の傘」とかいうけど、抑止力なんてないでしょう。
安保を離脱すれば、9条で戦争はしないと言っている、それどころか二度も原爆を落とされてる、無防備な国に突然どこかが核攻撃してくるなんてこと、現実的にはあり得ないと思いますよ。


そんなことした国は国際的に孤立するだろうし。


そもそも日本にいる米軍は、日本人を守るために日本にいるわけじゃないですからね。
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