オバマが尊敬するリンカーンの実体って?


とってもいい話、心に深くのこるエピソードを書き留めた後に不釣り合いなのですが、ちょっとくだけたおしゃべりをしてみます。あきれずにお付き合いください。


クリス・ロックというお笑い放談をするタレントがいる。映画のプロデュース、監督、シナリオ・ライター、俳優もこなす頭脳抜群のタレントだ。


ブッシュについては「ブッシュ、ほら、あんたがあんまりひっかきまぜたから、もうみんな白人の男の大統領はいやだって。黒人をだせ!女性をだせ!って言ってるよ。」とか・・(Chris Rock is an African American)
ハリケーンカトリーナの時は「ブッシュがハリケーンを作る為にホワイト・ハウスの地下でグラスの水をかきまわしているって言ってる奴がいるけど、違うよ。ハリケーンのグラスをかき回しているのはニューオリーンズのバーのバーテンダーだよ。(「ハリケーン」というカクテルに掛けている)とか・・・


その彼が「オバマは完璧すぎてまったくネタにならない。彼が大統領になったらコメディアンにとっては悪夢のようだ。ちょうど、ウイル・スミスやブラッド ピットがお笑いのネタにならないようなものだよ。」と言った。


叩こうと思えば、世界中に悪口を言いまくって、[最悪の大統領]にするだけの力を持つ”ジューヨーク・ダイムス”の記者とか、”愚リントン”のInformation・トラッシュ・ボックスに入るような意地悪な目で見た情報。そういう視点でオバマを見るとどうなるのか、仮説を立てて、今回はオバマ大統領の尊敬するリンカーンをやり玉に挙げてみた。


情報出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipediaエイブラハム・リンカーン』より意地悪く抜粋。


エイブラハム・リンカーン
第16代アメリカ合衆国大統領。任期: 1861 - 1865
初の共和党所属大統領。


奴隷制度に反対していたリンカーンの大統領就任を南部諸州は容認せず、次々と連邦からの離脱を行う。連邦の分裂と分断を防ぐため、リンカーンは強硬な態度に出、これが南北戦争へとつながる。

1861年リンカーンが大統領に就任すると、南軍は連邦のサムター要塞を砲撃して南北戦争が始まった。リンカーン大統領は南部海岸線の海上封鎖を宣言。この封鎖は大西洋岸からメキシコ湾岸まで徐々に広がり、南部経済を締め付けていった。
当初リンカーン大統領は早期に決着がつくと考えていたと言われている。しかし1861年7月の北軍バージニアへの侵攻で、南軍の頑強な抵抗に遭い、戦争の長期化は避けられない情勢となった。


開戦の翌年1862年大統領リンカーンは、奴隷解放宣言を発した。南軍が援助を依頼しているイギリスやフランスを見据えながらの作戦とも言える。結果として奴隷制に反対するイギリスやフランスは南軍への援助をしなかった。これが大きな勝因になったと言われている。
1865年に終戦。その間、両軍合わせて62万人の死者を出し、国土を荒廃させることとなった。
南北戦争リンカーン大統領の任期のほぼすべてを占めた。


奴隷解放宣言も黒人を兵士として効率よく徴兵する口実だとして強い反発もあり、アメリカ史上もっとも批判された大統領でもあった。】


任期中、ずっと戦争。
アメリカ史上もっとも批判された大統領。
これはブッシュのほうがあてはまるんじゃあないかな〜。


なぜオバマ大統領がリンカーンとイメージをだぶらせなきゃならないのか?
リンカーンイリノイ出身で、「奴隷解放宣言を発した」からというのが単純な推理だろう。
でもリンカーンて人間的にあまりいい評判が耳に入ってこない。
リンカーンは大統領になる以前、【イリノイ州ネイティヴ・アメリカンのソーク族との間で、ブラックホークの戦いが始まり、義勇兵として参加。1834年、ホィッグ・民主党の連立候補としてイリノイ州下院議員に初当選。イリノイ州軍の大尉となり、ネイティヴ・アメリカンのソーク族を全滅させた。】ネイティヴ・アメリカンのソーク族を全滅させたような人がほんとうに「損得なしに黒人のために、奴隷解放宣言を発した」のだろうか? これは大いに疑問。


だから、アフリカン・アメリカンの人々はそんなにリンカーンに恩義を感じなくてもいいのではないのだろうか? アフリカン・アメリカンがここまでこられたのは自分たちの手で、足で、頭脳で、心で、命がけで勝ち取ったものだと思う。
キング博士の命を賭けたリーダーシップ。数々の名もない人々による、今はあたりまえにできることへのチャレンジ、勇気ある行動。
”Black Is Beautiful”のアート、ファッション、音楽の中でのムーブメント。
Black Power。オリンピックで黒人選手が片手を拳にしてかかげながらうつむいて金メダル、銀メダルを勝ち取った一連の無言の抗議。そういう積み重ねが人々の心を動かし目覚めさせていったのだから。


今となっては、「アメリカ人は人種差別している」とアメリカ以外の国の人からとやかくいわれたくない。そういう人たちはまず自分たちの国のなかの差別に目をむけてほしい。そしてご自分の中の差別感(アメリカ人なのだから絶対に差別をしないはずはないという差別感も含む)そういうことに目をむければいいのであって、とかく自分の顔の蝿を追えないひとは、他人の蝿を追い回したがるものだ。
ほんとうに差別がなくなったかどうかはアフリカン・アメリカン自身が感じ取り、決めるものではないか。


オバマ大統領はこれからの内容がどうあろうと歴史に残る人だし、すばらしいスピーチをして団結の心を高めてくれた。そしてニューディール政策を引き合いにだすが、あれはもし第二次世界大戦に参戦してなかったら、失敗に終わっていたという意見はなまなましく現実的だ。


リンカーンは11才の少女が髭をのばせといった意見を採用して選挙に勝った。
ルーズベルトは「炉辺談話(fireside chats)」に象徴されるように、当時の最新メディアであるラジオを通じて国民との対話を重視した。
ケネディはテレビ演説で好印象を残したことが幸いしてニクソンに勝利できたとされる。
そしてオバマはインターネットを使って莫大な資金集めをした。


それぞれ新しいメディアを使ってそれぞれの時代にそれぞれの史上始めてという大統領は生まれてきた。そして彼等は例外なく大きな戦争の渦中の人だった。オバマ大統領はどうなるのだろうか?

          • やっぱりで笑いのネタはみつかりませんでした。クリス・ロック, You are just Great!!-----