オハイオのヒラリー、テキサスのオバマの各スピーチ

テキサスは小差だがクリントン議員が勝ち、オハイオではオバマ議員をかなり離してクリントン議員が勝った。満面の笑みでスピーチのヒラリー。

オハイオで勝った候補者のみが大統領になるという前例がある。
オハイオが大統領の登竜門なのだ。ありがとう。
これで、私はず〜っと、(最後まで)戦う。」とヒラリー。


すると熱狂した聴衆はオバマ側の「Yes,We Can」をもじって。
「Yes,She Can!
Yes,She Can!
Yes,She Can!」と連呼。


この「We Can]というコンセプトと
She Can]という言葉の間にはヒラリーとオバマの政治姿勢が、皮肉にも出ていると思った。
ヒラリーは「自分がやれば、あなたたちにこういう恩恵を与える。」
聴衆はそれに呼応して「Yes,She Can!」だもんね。


オバマは、一緒にやろうと言っているのだ。
だからオバマの聴衆は「「Yes,We Can」と応える。
ケネディがスピーチの中で言った有名な言葉、
国家が何をあなたにしてくれるのか・・ではなく、
あなたが国家に何をすることが出来るのか?
このコンセプトは民主党の考えでもあったはずだ。


ヒラリーの聴衆はもちろん皮肉を込めて、意味なくこう言っているのだろうが・・ヒラリーの作る国家から何をもらえると約束されたのか?
あらめてケネディーの「あなたが国家に何をしてあげるのか?」という言葉を問いかけられたら、いったいどう応えるつもりなのだろう?


オバマ議員は同じ日、同じ時間帯にテキサスのサンアントニオでスピーチをした。テレビ各局はどこもオバマ議員のスピーチの生中継を放映した。「同じ時間帯なので、クリントン議員のスピーチは失礼ながら、後でビデオで・・」と謝りながら・・・

オバマ議員のスピーチの一部:
サンアントニオありがとう。
私の父はケニアからこの米国へ教育を受けるためにやってきた。
黒より黒い人だ。
彼はアメリカで学問を身につけさせてもらい、カンサスから来た真っ白な女性と結婚をして子供が生まれた。(その子が私だ)
自由なアメリカからたくさんの恩恵をいただいた。
私はこの国にお返しをしたい。身をもって公僕として国にお返しするのが自分の使命だと思っている。」


サンアントニオは、メキシコ・中南米系の人種がたくさんいる。
負けたけれども、ほんの小差であって、沢山の人々がオバマを応援した。
もともとメキシコ・中南米系の人はヒラリー支持者が大多数だったが、オバマ支持に切り替わった人が多かったわけだ。


「マッケンジー議員やクリントン議員のように・・・」とオバマはスピーチの中で二人を一緒にした。
要は旧体制の政治家という意味だろう。
オバマ夫人のミッシエルも来ていた。黒のドレス。長身の彼女はとても素敵だった。どこに出してもはずかしくないファースト・レディーになるだろう。

振返ってみれば、政権を取られたら、取られた党は何がなんでも「反対」をして、あら探しばっかりする・・もうこういうのはやめましょう。しっかり意見を戦わせるが協力すべきは協力して、今の困難を皆で乗り越えていこうとするオバマに私たちは共鳴しているのだ。


そして、ヒラリーの考え方の根本はものをあげる政治家と、もらう国民という図式。これを与えるから私に投票してくださいというスタイルが目立つ。あなたはほんとうに支持者の人々に尊敬心をもっているのですか? 票の頭数としてしか考えていないのではないですか?・・って聞きたくなる。


もし、マッケンジーとヒラリーの一騎打ちになったら、もう中傷合戦のあら捜し大会になることは目に見えている。
しかけるのはいつもクリントン側。
そうなったら、共和党も黙ってはいないでしょう。
ヒラリーはたたけばいくらでもほこりの出る身だから。


民主党共和党の間でそんなドロ試合にならないように願う。
もう悪口叩き政治はうんざり。
総合得点でいえば、オバマのほうがまだまだリードしているわけだし、希望はまだまだある。