日米の家具の「お届け」サービス


1年ぶりに日本に帰国。2週間の滞在だったので、母親懸案の家具の購入を手伝った。新宿の小田急に行ったら気に入ったものがちょうど見つかったので早速購入。


配達は、私の日本滞在中にしていただけないものかと尋ねると、さっそく製造元、運送関係すべてに連絡をとってくださり、搬入日は4つのチョイスの中からお選びくださいとのこと。○月○日の午前○時か、午後○時か、その次の日の午前○時か、午後○時か・・・では、○月○日の午後2時にとお願いした。小田急のサービス券の説明もしてもらい、サービス券の発行場所までわざわざご一緒していただき、なにもかもスムースに気持ちよくお買い物ができた。


そして搬入日。ぴったり午後2時に2人の好青年がやってきた。言葉使いも丁寧だし、礼儀も正しい。床や周りを傷つけないように大きな布も用意してきている。無事に所定の場所に家具がおさまり、心から感謝した。


カリフォルニアに帰ってきて、医者の友人とスパで会い、おしゃべりをしていた。そこに1本の電話。友人は少し話すと、電話のスピーカー・ボタンを押す。
大きな男性の声が「・・今すぐお宅に家具を届けたい」と言っている。友人は「5時以降に届けるようにとお店のマネジャーに言ってありますが」と答えた。
大声は「お店と運搬は別だ。そんなことより今すぐ搬入したい・・・」それから会社内の仕事の流れや自分の立場のこと、同じことを何度もくりかえして訴えた。
友人は「あなたは頑張ってお仕事しているのね。でも今すぐ自宅には帰れません。約束の時間以降でないと無理です。お店のマネジャーに電話をするから」ということで電話を切った。

彼女は早速マネジャーに電話をして、穏やかに「今、搬入のドライバーから電話があったけど、大きな声でどなり私に恐怖心を起こさせた。その会話は第三者が一部始終を聞いている。
あなたのお店は、最初はオーダーしたものとは違う品物を運んできた。そして2回目の今日は約束の時間を違えて持ってきた。こういう扱いは、あなたが病院に行って悪くない方の足を切断されたと同じ事ではないかしら。」と。
マネジャーは「早速善処する」ということで、その日の約束の時間にきちんと搬入されたそうだ。


日米のこの違い!
それに、アメリカでは交渉の話し方によって対処が違ってくるということ。もし彼女が怒って工夫なしに話していたら、先方は「依頼の時間は目指す尺度であってそのとおりに行くかどうかはそれは保証できない」と言われていたかもしれない。
友人は穏やかに相手をたてながら話してはいるが、電話の会話を第3者が聞いていること。
つまり証人がいること。
ドライバーの話し方が恐怖心を起こさせたこと。
以上の点をきちんと述べている。そして、悪くない方の足を切られれば当然訴訟問題が起こる。それに匹敵していることをあなた方はしているんだよとほのめかしたわけだ。


このやりとりを聞きながら「日本の気持ちのいいお買い物」を思い出していた。
このアメリカでの話は友人の許可をいただいて書いている。彼女は「日本語のブログもっているの! じゃあ書いて。『病院に行って、悪くない方の足を切断されたと同じ事』って(我ながら)なかなかよね」なんて言っていた。私もほんと!なかなかのものだと思っている。