東洋医学と西洋医学

うつ病のところで日本とアメリカの重点の置き方について「興味深い」とコメントをいただいたことから違いを考えてみました。


よく言われていることの受け売りだし、あくまでもしろうと考えであることを前提としてお読みください。


東洋医学は病気になるプロセスから問題視するが、西洋医学は病気になったところから病名が決まり、治療が始る・・・という点です。
東洋医学では、例えば内臓の機能が低下してきたら、マッサージとか、リフレックスオロジー(足のマッサージ)や食事療法、ハーブなどで正常に戻そうとします。


もちろん西洋医学も予防には力を入れ、天然痘の予防注射、ツベルクリンなど、たくさんの予防医学を確立してきましたが、内臓の機能低下などでは東洋医学が最近注目されてきたのではないでしょうか。


おしゃか様は、病気を治すのは医者。
予防をして病人をださないのが国医。
心の病を治すのが医王・・・というようなことをおっしゃったそうです。
このあたりから知識のなさであやふやになり、感覚的なことしかかえませんが・・・プロセスを重んじる東洋・日本では、うつ病もまず原因と予防に焦点をあてるのではないでしょうか?


ところがかかってしまった時からが違ってきます。
日本ではなぜかかったのか、その原因をさぐりますから、個人の意志が弱かったのだとか・・とか、家族のあり方が・・とか、そういう教育をした学校、親、患者をとりまく職場環境、社会に問題があるのでは・・と考えます。


特に家族は「どこがいけなかったのか?」と自責の念に思い悩むだけでなく、親類、近所など周りからもそういう目をむけられてそれに堪えなければなりません。会社は、皆同じ条件で働いて、うつ病にかからない人の方が多いのに、なぜ、あいつは? あの人は?・・
会社の責任ではないよ・・・とかとか。


そういう意味で心・精神関係の病にかかるとある種の「責任」が誰かにかかってしまう。責任感の強い日本人はよけい我が身を責め、輪をかけて悪化し、「しがらみ」の中でお医者さまに行くのもはばかり、かなりの重症になっていることもあるのではないでしょうか?


アメリカの場合は、ブレーンの中のケミカルが不足しているから、まずお薬。原因は個々によって違うから、心の中に沈殿しているものは専門のカウンセラーに吐き出させて治療させる。早くなおるように食事療法をとる・・・というようにかかった後はシンプルに治療が受けられると思います。
でもこの病は生活の面倒をだれかがしないとならないので、2〜3年はいいけど、それ以上になると世話をしているのが親でも、これ以上はできないからということで、ホームレスになってしまったりするケースも起こり得ます。


外見に現れないからご本人にとってはとてもつらいことだと思います。
お医者さまも、脳、精神関係の専門家と交流されて原因からきちんと究明していただいて、それも画一的なのではなく、様々な要因があること、個人差もあることも一般に教えていただく必要があると思います。


そしてかかり始めたとご本人が感じたら、お医者さまに行きやすいような環境作りをご家族だけでなく会社や社会もしていく必要があるかもしれません。