カリフォルニア知事のシュワちゃんとサンノゼの街でぱったり!

サンノゼに夕飯を食べに行った。古いホテルの横に劇場の舞台裏の入り口がある。私たちはその脇に車を駐車して、レストランへ向かって歩き始めると、警官に止められた。「5分間、ここで待ってくれないか?」ということである。

見回すと私服、制服の警官が数人、道路を見ながら待機している。道路の向かいは大きなマリオット・ホテル。その玄関に10人位の人が立ってやはり道路を見ている。誰か要人がホテルに泊るのかと想像していた。
5分きっかりに、2台の黒塗りのフォード大型SUV(ランドクルーザーみたいな車)が到着。その後ろに2台のオートバイの警官が続く。オートバイに先導されるように、その又後ろに黒塗りのフォードのセダンが歩道に横付けされた。


てっきり、要人はセダンに乗ってくるとばかり思ったら、先頭のSUVから数人の人が出てきた。中心にいる人はブルー・グリーンのネクタイ
に白いワイシャツ。それがアーノルド・シュワルツェネッガー知事だった。


明るいグレーの背広に腕をとおしながら、こちらをみて笑ってくれた。以外と体の線は細かった。彼を取り囲んでいるのはきっとシークレット・サービスの護衛だと思う。ダーク・スーツに身を固めている。映画そっくりだ。
ものすごく背が高くがっしりしたのが2〜3人いるので、シュワちゃんが小柄に見えた。彼は背広を身につけるとネクタイを直して、足早に護衛の一団と共に劇場の楽屋入り口の中に消えて行った。


警官はもう通ってもいいと手で合図をくれる。その時セダンを運転していたスーツ姿の男性が車から降りてきた。いかにも頭のよさそうな足腰頑丈なアフリカン・アメリカンの紳士。
「知事のボディー・ガードなの?」と聞くと、「いやぁ〜、知事にボディー・ガードは、いらないよ」と答えてくれた。
・・・そうだった! シュワちゃんは不死身の「ターミネーター」だったっけ。けっこうしゃれた答えだな〜・・・「何があっても I'll be back ですものね」とターミネターの有名なせりふを付けて答えると、その紳士もそばの警官の人々も笑ってくれた。(ジョークのやりとりが一応できた錯覚がしてちょっと嬉しかった)


こうした車をまじかに見ると、いつズドンとやられても不思議はない国に住んでいる実感が湧く。
2台のSUVの窓は中がみえないようになっていて、きっと防弾ガラスが入っているのだろう。
通常はこういう車にはシークレット・サービスが乗り、その後に続くセダンに要人がのると思ったが・・・。
セダンはもしかしたら、「おとり」なのかもしれない。空から狙われたら、まっさきにセダンがターゲットになるのだろう。