「ヘリコプター ママ」って?

子供を独立させる美学とは?

米国団塊世代の親、ベビーブーマーのあなたは...
子供との距離を置く「ヘリコプター タイプ」?
それとも、しがみつく「足枷タイプ」?
Newsweek May 22, 2006 issue MSNBC

アメリカではベビーブーマーといわれる団塊の世代。1946年から 1964にかけて生まれた人々。その数、76,957,164 人。 彼らは今新しい挑戦をしなけらばならない時に差掛かってきた。子供の独立をどう見守るのか? 一歩引いて気遣うのか? 世話を焼いて甘やかすのか? その境目はどこにあるのか?

5/17、ニュースウイークのバーバラ・カントローウイッツに話を聞いた。彼女は例を挙げてその特徴を説明してくれた。

ある団塊の世代の親の話。長女が大学入学を迎えた。彼女を大学の寮まで送ったその帰り道、母親は「もう泣いて、泣いてまた泣いて。5時間も泣き続けた」そうだ。
彼らは車を飛ばし過ぎていることにも気付かずに走っていると、警官に捕まった。警官は「どうかしましたか?」
親たちは涙で言葉も出ない。やっとのことで「たった今、あの小さな女の子だった娘を大学に送ったところです」そしてまた夫婦で泣き始めた。
警官は「実は私にも小さい娘がいるんです」と言って罰金を免除してくれた。

あれは1993年のこと、以来彼らは3人の子供に「さよなら」をして旅立たせた。今では3人とも立派に大学を卒業し、就職し、自立している。それでも週に40回は電話のやり取りをしているそうだ。

子離れができない。18年間を振返ると子供と共に歩んで道のりだった。野球、バレー、演劇、サマー キャンプ、サッカー、旅行、ピアノのおけいこ、土曜日学校、そして大学巡り...すべてママと一緒にだったのに。

多くのベビーブーマー(=団塊世代)は「ヘリコプター・ペアレント」になることがむつかしい。子供との距離を置き、子供にまかせることができないのだ。これこそ彼らにとっては未知の世界への開拓そのものなのだ。本来なら子供にまかせることは高校卒業までに少しづつ徐々にしていくものだが、大学入学時に一瞬にして子供から引き離される事態に直面しなければならない。

子供は大学で学ぶうち、インターンシップなどで職場の実地勉強をしたりして、どんどん親から独立していく。親はE−メイルや電話でついついチェックを入れたがる。昔宿題を見てやったように...。
それは子供への愛情から来ているもので....イヤー、そうには違いないけど...などなど、子供の教育だけでなく、親が脇に控えることを大学では教えていかないとならない。
あなたのお子様を大人にしたいんでしょ!?
それなら、子供にまかせて遠くで見守る「ヘリコプター ママ &パパ」におなりなさい。(MSNBCより抜粋)

以前は、日本でも母親の子離れが話題になった。その頃のアメリカの子供たちは随分独立していたはずだ。子供でも近所の芝刈りのお手伝いでお金を貯めたり...。そんな風習はどこに行ってしまったのだろうか。

「子離れ」という未知の世界に踏みこむことがフロンティア精神などといったら、幌馬車に乗って西部にやってきたご先祖の「フロンティアばあちゃん」に笑われてしまうんじゃぁないだろうか。