メキシコがくしゃみをすると風邪を引く(?)米国


メキシコでは個人使用の麻薬の所持が許されるという法案が議会を通過した。マリフアナとアヘンが5グラム、コカインが500ミリグラム、ヘロインが25ミリグラム、合成麻薬が1錠、特産の幻覚サボテンは1キロ(これは宗教儀式に使われるからとのことで量が多い)
フォックス大統領がサインするかどうかはまだ分からないが、したら正式に合法化されるとのこと。米国は厳しくこの結果を見守っている。

メキシコからの不法移民は国境を徒歩、また自転車で一日3000人近く米国に入ってきている。国境に接したアメリカサイドには個人の住宅も多くあるが、その個人の敷地内にまき散らる大量のごみ、プラスティック バッグ、バックパック、飲み物の瓶、ボトル、食べ物の食べかけ、糞尿などなど。その他に自転車まで置き捨てられる。
ある家では捨てられた自転車が100台近くたまってしまったという。集めては納屋の脇に置くのだが、処置にも困るしどうしようもないらしい。引越したくてもこのような場所にある家を買うひとは誰もいないとのこと。

メキシコの警官は交通渋滞の整理だけでもう手いっぱいで少量の麻薬の所持者を取り締まるゆとりはないし、第一、刑務所は満杯で捕まえても入れるところはないと議会側は弁明している。多分これは誇張ではないと思う。これがメキシコの現実なのであろう。

メキシコの金持ちはけた違いに金持ちであるが、彼らは投資のほとんどを外国にするから自国の失業者(桁違いに大量の失業者)を雇うだけの企業が育ちにくいといわれている。

仕事のない大量の人々は歩いてアメリカに来る。彼らはろくに学校にも行ってないし、時間の観念も、マナーも衛生観念も教えられていない。アメリカに行けばなんとかなる。仕事がみつかるまで、ただでご飯も食べさせてもらえるし、医者にもただでかかれる。トイレにいったら手を洗えとか、トイレット ペーパーは水洗に流し、手を拭いた紙はゴミ箱に入れろとかめんどくさいなー。わかんないから、トイレット ペーパーも手ふきの紙も皆床に捨てとけばいいや。仕事は仲間が教えてくれるし、英語なんて覚えなくてもスペイン語をしゃべる仲間はいっぱいいるんだし、勉強? なんでしなきゃならないの? なんかあの子かわいいけどデイトしよっかなー。子供ができたらアメリカではめんどうみてくれるらしいし。気がかわったらメキシコにかえればいいんだし。

なーんて調子でアメリカの各地に流れてくる。
向上心のある人は一握り。そういう人々は仕事をきちんとする。我慢強く穏やかで英語は読めなくてもある程度しゃべる努力をしながら定職に就く。もっと向学心のある人は働きながら短大、更に大学に行って希望の職業につく人もいる。こういう教育費は大幅に援助される。コミュニティー カレッジの短大は授業料は非常に安いが外国からの留学生といえば、我々の10倍の授業料を払って通っている。開発途上国の学生はたいへんだ。彼らは働かざるえない。メキシコ人のように各機関から救いの手が差し伸べられることはないからだ。

5月1日のメーデーにはシカゴ、ロスアンジェルスを中心に不法移民を規正する法案に抗議してストライキ、デモが行われる。メキシコ人を中心に移民が職をはなれたら、アメリカ人がどれだけ困るかということを認識させるために移民はすべてストライキをするそうだ。子供も学校に行かせない。週末は彼らの祭日だからもうお祭りが続くようなものだ。ふーん、なんかずるいなーとはあるコメンテーターの言葉。

メキシコ移民でも良識派といわれる人々の間では特に子供に学校を休ませることはよくないし、このデモが反対にメキシコ移民への世論の批判を強めるものになるのではないかと危惧するむきもある。

メキシコの不法移民だけ特別に扱うこと反対!というデモを他の国々からの移民でやろうか..と冗談をいったら、ある友人が「賛成。これがジョークでなくほんとだったら、私は参加する」といった。彼女はアルメニアの移民である。正式に移民となるためにどれだけたいへんな思いをしてきたか、なぜメキシコ人だけ何もしないで良くて更に抗議までするのか、これは不公平だ。同じ移民でもこういう考えの人はたくさんいるはずだと彼女は言う。

話をもとにもどすが、メキシコで個人使用の麻薬の所持を許すことになれば即、アメリカは影響をうけるだろう。
メキシコの議会は麻薬の使用に関して「その結果は自己の責任」といっているそうだが、これは「その結果はアメリカの責任」となる日も近いかもしれない。アメリカは今後メキシコの麻薬中毒者の看護もしなければならなくなるかもしれない。