政治家の失態のレベル、東西の責任の取り方

【ソウル=平野真一】韓国の李海チャン(イ・ヘチャン)首相は5日、辞意を表明した。鉄道ストで全国の交通網がマヒ状態に陥っていた3月1日に釜山でゴルフをしていたことが明るみに出たためで、これまでも李首相はたびたび国務そっちのけでゴルフをして批判を浴びていたが、ついに“OB”となった格好だ。(チャンは王ヘンに「賛」) (読売新聞)
http://dailynews.yahoo.co.jp

このニュースを読んで、米国副大統領がうずらのハンティングで誤って発砲して友人に怪我をさせたことと比較してしまった。
日本では偽メイルで民主党の議員と党首が謝って、今決着の付け方が民主党内部でも議論されているそうだ。

少しさかのぼるが、ラジオ、テレビのホスト、ビル オラーリーが2月15日にこんなことを言っていた。http://www.foxnews.com Feb 15, 2006 By Bill O'Reilly

「昨晩、副大頭領チェイニーのハンティングの事件か、それとも、アル・ゴアサウジアラビアでのスピーチか、どちらが大きな問題かを選ばなければならず、私は、アル・ゴアのスピーチの件のほうが重大だと思った。
サウジアラビアクリントン政権時の副大統領、アル・ゴアが『米国に住むアラブ人は虐待を受けている』とアメリカを批判した。この中東の地での米国に対するこういう内容の批判は、今米国が行なっているテロとの戦いに害をもたらす。チェイニーのハンティングの事件は事故であって、個人的レベルではないか。誰にも影響を及ぼすものではない。」と。

アル・ゴア側の人はビル オラーリーはアル・ゴアのスピーチを取りざたして、チェイニーの問題をうやむやにしようとしているとオラーリーを批判していた。

比較するものではないかもしれないが、個人の生活に関しての事件はチェイニーのハンティングの事件と、韓国首相のゴルフの問題。
公的なカテゴリーに入るのが、アル・ゴアのスピーチと、日本の民主党の偽メイルの問題。
個人的な面では、ハンティングで誤って人を傷つけたのと、ゴルフではかなり、重さが違う。
公的な面では偽メイルは国内問題だが、アル・ゴアのスピーチは国際問題、テロという犯罪にまで影響が及ぶ。
フランスではアラブ系移民を「人間の屑」とよんでもそのまま居座る政府高官もいるし..。

なにか、西洋と東洋を対比させようとしている自分の頭のしくみに自分自身で反発しつつ、やはり西洋のこの「したたかさ」というか「ずうずうしさ」といったら語弊はあるが、そういうものをつい感じてしまう。そして東アジアの「けじめ」とか「節度」にこだわる習慣を良しと感じるのは自分が日本人で東アジアに属するからかもしれない。台湾の人にも同じような印象を受ける。もうしわけないけど今の中国にはそういうものは感じないのだが。

対日感情が今韓国では悪いとニュースで目にするが、カリフォルニアで会う韓国の人は親切な人が多い。数年前、韓国が不況になった時こちらの韓国の人は本国の人々が不況に苦しんでいるのだからと、レストランに行かずに自粛していたとか。そういう「思いやり」を大切にしているのだから、交通網がマヒ状態の時、首相がゴルフなどしていたら言われちゃうのだろうなぁと推察できる。政治の世界ではそれぞれの国が、まず国益を重視するのだからいろいろあっても、どの国の人もつきあえばきっといい人がほとんどなのだと思う。

それにしても、何を根拠にアル・ゴアは『米国に住むアラブ人は虐待を受けている』と言ったのだろうか? ある人々はこういうことを信じている。「彼はきっと、アラブから利益を得ているのかも。今回の6つの港買収も彼がからんでいるようだし。お金のためなら何でも言うし、するようだから。父親も政治家で政治の裏でお金儲けする術をよくしっているんじゃない。」と。

もしほんとうなら、偽メイルとは比較にならないほどの大事だと思うが...。