ヒラリー クリントンの発言が問題に

Mapple2006-01-20





http://clinton.senate.gov


1月14日は、ナショナル ホリディーであるキング牧師のご命日の振り替えで公共機関、銀行、多くの会社は休日だった。この日はキング牧師をしのぶいろいろなイベントがある。プリンストン大学ではヒラリー クリントンのスピーチがあった。
そこで彼女は今のホワイト・ハウスを「プランテーション」と批判。
プランテーションというのは黒人を奴隷として経営していた綿花などの大農場の意味である。

さあ、たいへん。マスコミも一騒動だし、共和党側は黙ってはいない。彼女の意味するところの分析から始まり、人種差別問題では、歴史まで引っ張り出して、奴隷開放をしたのは共和党リンカーンで、民主党は当時南部から出た政党で奴隷制度を保護していたではないか...とか。

共和党のアフリカン アメリカンの議員は民主党が彼のクレジット カードの履歴を調べたそうで、これは黒人ならクレジット カードの履歴は悪いにちがいないという固定観念があるから自分がターゲットにされたのだというエピソードも暴露された。

ヒラリー クリントンはその二日後の水曜日、再びプリンストン大学で講演をしたがそのことにはふれず、現政府のイラン問題に言及して、政府の批判も名指しを避けてマイルドな攻撃に終わったが、彼女の支持者が買うTーシャツのキャッチ フレーズにあるように、現政権はアメリカ始まって以来の最悪な政権であると言っていた。

確かにヒラリークリントンの人気は高い。しかし、同時に彼女がほんとうにアラブ問題を扱うことができるのかどうか、国内の経済問題も大丈夫なのか疑問視する見方もかなり根強い。今回の発言は彼女にとってあまりプラスにならなかったのではないだろうか。

ラジオでは皮肉を言いながらズバリ核心をつくというホストが多いが、こんなことをいうホストがいた。「堕胎」と「同性結婚」が合法になるかどうかばかりがとりざたされているが、大統領の選出にはもっと大きな問題を議論する必要があるのではないかと。民主党の党首のハワード ディーンならどんなことでも攻撃の「ネタ」に使うだろう。こんな醜態をさらけるなら、彼の新党をつくったほうが、民主党のためにいいのではないか、などなど...。

フランスのシラク大統領がこの度、フランスに向けてのテロにたいしては原爆使用も辞さないと言ったが、このところ民主党イラク戦争反対の声をかなり潜め、そのかわり、現政権がイラン問題に弱腰であるところを批判しはじめている。シラク大統領にしてもそうだし、いったい、彼らがイラク戦争に反対したのは何のためだったのだろうか? 正義感にもえた信念というのがこの人たちにあるのだろうかとぼやきたくなってしまう。

どこの国も自国の政治家には失望感をもっている人々は多いと思うが、失望感を堂々と言える国であるということに感謝をするべきなのかもしれない。最近はラジオを聞いてもこれこそお伝えしたいという話がなにか少ないような気がしてならない。