アカデミー賞候補は「プライドと偏見」?「ミュンヘン」?「シンデレラ マン」?それとも...?

Mapple2006-01-08


写真:Pride and Prejudice(プライドと偏見
http://movies.yahoo.com

Talulah Riley, Carey Mulligan, Donald Sutherland, Keira Knightley and Rosamund Pike in Focus Features' Pride and Prejudice – 2005

もし2004年度のノミネート作品のどれでも、2005年にリリースされていたらグランプリがとれたような気がする。「レイ」にしても、「アビエーター」にしても、グランプリの「ミリオン・ダラー・ベイビー」にしても、映画のできも役者たちの演技もすばらしかった。

今年はそれにくらべると、全般的に少し落ちるのではないか? 作品賞ならこれぞという映画がずばり挙げられない。
敢えて言えば「シンデレラ マン」、「ミュンヘン」、「Pride and Prejudice(偏見と高慢)」あたりであろうか。シンデレラ マンは2005年の始めに上映されたので、忘れかけられているのと、主演男優がホテルの従業員に電話を投げつけたというスキャンダルがあるので不利になるかもしれない。
ミュンヘンはまだ見ていないが、他のブログでトラックバックをいただいて知った。批評家の採点は「A−]。スピルバーグ監督だし作品のできは悪いはずはない。
Pride and Prejudice(プライドと偏見)は決め細やかに作られた作品で、主演女優の キーラ ナイトレー(Keira Knightley)の評判がかなりいい。

「ブロークバック マウンテン」という声も出ているが、同性同士の愛と男女の愛に揺れ動く男心の映画で、ハリウッドには共鳴する人が多いのかもしれない。しかしこれは作品としてもストーリーも、上記の3本と比べると落ちると私は思うのだが、批評家の採点は「A−」でミュンヘンと同じである。

「ブロークバック マウンテン」を入れちゃうのなら、「ドリーマー」も入れてもらいたい。作品賞はともかく、主演女優賞に、「宇宙戦争」でも名演技を見せたあのかわいい女の子、ダコタ ファニング。是非受賞してほしい!

カントリー ソングで最も有名な歌手・ジョニー キャッシュの自伝映画「Walk the Line」は作品としては平均点かもしれないが、主演のウオーキン フェニックスは主演男優でノミネートされるかもしれないと期待している。

彼は陰気な役が多かったが、今回は歌手になりきって華やかな面を見せた。内面に黒い炎のようなものを秘めている役者である。「三つ口」というハンディをもって主演をつかむにはかなりの努力を重ねてきたはずだ。今まではどろどろした関係のロマンス映画が多かったが、こういう男優をロマンスの主演、脇役の男優に抜擢するというのはやはり、アメリカの懐の深さではないだろうか。

ドキュメンタリー部門のグランプリといえば、もろ手をあげて「皇帝ペンギンのマーチ」。これは全体でもグランプリにしてあげたいくらいに感じ入った映画である。スタッフの忍耐と努力に拍手を送りたい。

ちなみに今週の興行成績順位は:(批評家 採点C以下は割愛した)

1 ナル二ア國物語 批評家:B
2 キング コング: 批評家: A
3 から6 は割愛。
7 Memoirs of a Geisha (日本名「SAYURI」だそうです)批評家:B
8 割愛。
9 ハリー ポッターHarry Potter and the Goblet of Fire 批評家:B+
10 ミュンヘン Munich 批評家:A−
11−12 割愛
13 Brokeback Mountain 批評家:A−
14 割愛
15 Walk the Line 批評家:B+
16 割愛
17 プライドと偏見 Pride and Prejudice 批評家:A−
18−20 割愛
21 マッチポイント Match Point

21番のマッチポイントは今週リリースした、ウッディー アレン監督の映画。アニーホール以来の出来ということで前評判も高く、今日映画館にいったら、2軒とも切符は売り切れで入れず、入場するのにこんなに長い列をつくる映画は久しぶりであった。しかたなくキング コングを見たが、たいへん良くできた作品で大満足した。これについては後日ふれることにしたいが、これはアカデミー賞の特撮とか特殊装置の部門にはいるのではないか。入ってほしいと思った。大迫力で斬新な設定にリアリティーを巧みに作り出していた。