黒人をニガーという蔑称

若いアフリカン・アメリカンの流行言葉で、口争い、ジョークなどの時、相手を「ニガー」と呼ぶ。これはアフリカン・アメリカン同士にのみ許される言葉であって、他の人種がアフリカン・アメリカンに向かって使ったらたいへんなことになるので使えないのだが。
60年代を通ってきた良識あるアフリカン・アメリカンの人々は嘆く。「ニガーという蔑称を払拭するためにどれだけ、自分たちの世代は努力してきたことか、たくさんの命も失われた。それを今の黒人の若者がジョークに使うなんて信じられない。止めてほしい」と。
映画「40 year-old Vergin」でアフリカン アメリカン同士が口論をしている中でたくさんこの言葉が使われていた。その中で「サンド ニガー」という言葉が入っていた。サンドは砂、つまり、「砂漠のニガー」。これは中東の人々を指す蔑称ということだそうだ。
仲間内なら別だが、他民族の蔑称を作り、使うのはどうなのであろうか? 人種差別に苦しんできた親の年代を考えれば、仲間内でも使うことをひかえるべきだと思うし、ましてや他民族への蔑称を 人種差別を叫ぶ片手間に使うっていうのは矛盾している。
人種差別される痛みを知らない若者が現れてきたということでそれは良しとしようという反面、今まで苦労してきたアフリカン アメリカンの世代の努力を無にしているようで残念な気持ちが残る。