話題の映画『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』

Mapple2005-12-12

http://movies.yahoo.com/

写真: Ginarrbrik (Kiran Shah) and the White Witch (Tilda Swinton)Walt Disney Pictures' The Chronicles of font-weight:bold;">Narnia: The Lion(ライオン), The Witch(白い魔女)and The Wardrobe(小人) - 2005


久しぶりにまた映画の話題になる。先日見てきた「ナルニア」日本の題名は『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女


どういうお話かというと....
ヤフージャパンの映画サイトよりご紹介してみよう。
http://www.flix.co.jp/yahoo/
ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで4度のアカデミー賞に輝いたSFX界きってのワークショップWETAがナルニア国の世界観を見事に映像化した『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』。ニュージーランドでの壮大なロケによる風景と最新のVFXが融合し、リアルでありながら、ファンタジックなナルニアの世界はほかに類を見ない。物語は、第二次世界大戦下のイギリスからはじまる。疎開先でペベンシー一家の子どもたちは、空き部屋で大きなたんすを見つける。そのたんすの向こうには想像を超えたナルニアの世界が待っていたのだ。

白い魔女を演じたティルダ・スウィントンが注目を浴びている。冷酷な魔女。強い意志が体じゅうから漲る。そしてペベンシー一家の子どもの一人を誘い込む時のあのやさしさが一瞬のうちに冷酷な悪智恵にみちみちた目にかわる。
アンデルセンの「雪の女王」を彷彿とさせるティルダ・スウィントン白い魔女は冷たい魅力にあふれる。衣装、髪型もすばらしかった。

一方、子供たちは4人兄弟で末の子供が特にかわいかった。長男はすてきな少年。皆の面倒見がよい。長女は優等生。お屋敷の秘密のドアーをあけた次女の末の子は心のきれいな、自由奔放な子で、兄弟たちをナルニアの世界に導いていく。4人の性格の違いがかれらをアドベンチャーの道に誘い込んでしまった。
問題児の次男は白い魔女の魔の手にはまり、あやうく石の像にされてしまいそう・・・・兄弟はたすけることができるのか...?
彼らはしだいに我が身を忘れて命懸けで助け合い、勇気と智恵が培われていくようになる。

動物が動物の姿のままで擬人化され、智恵をもち言葉をしゃべるのは、デズニー プロの得意とするところで、善の国の王様はライオンで冠もなく野生のライオンの姿のままである。自分の命をいとわず崇高なリーダーシップの持ち主として描かれている。騎士は半人半馬のケンタウロス。鎧をつけた男性、弓を引く女性のケンタウロスたちは心も踊るような勇敢な姿で悪に立ち向かう。悪の魔女率いる軍勢とこの善の軍勢の戦闘シーンは見ごたえがあり、ユニークに仕立て上げようと努力した跡が伺える。

CG (コンピュータ・グラフィックス)が映画に導入されて、映画史上、スター・ウォーズロード・オブ・ザ・リングと一連のラインを感じる。スター・ウォーズは当時、まったく新しい映画で、このカテゴリーでは先駆者的存在だったと思う。ロード・オブ・ザ・リングは戦闘シーンに「死人の霊」を取り入れ、CG (コンピュータ・グラフィックス)の進歩を駆使して更にスケールを大きくし、内容にも厚みがあり傑作中の傑作といえるであろう。ナル二アは動物や神話、おとぎ話の登場者たちを取り入れ、もしかしたら比較はできないかもしれない。カテゴリーとしてはピーターパンに分類されるといっては乱暴だろうか?

この映画にはおとぎ話に徹した世界としての魅力がたっぷりある。ロード・オブ・ザ・リングのような「悪」への深い見つめはないが、この程度の分かりやすい善と悪の描写も、子供たちにはかえっていいのではないかとも思う。親にとっては安心して見せることができる映画といえよう。
かといってまったく子供向けというわけではなく、大人も十分楽しめる。映画の展開がとてもスリリングで手に汗にぎり時を忘れてしまった。デテールも粗雑な部分がまったく見られない。なにしろ、ストーリーの展開がとてもユニークで「秘密の扉」という、年代を超えて心をときめかす夢を堪能させてくれた。

ライオンの正体は最後の最後にヒントが与えられる。
ご覧になる方は最後にスタッフ、俳優の名前のリストの部分で席を立たないように。こちらの劇場では皆立ち上がって早いひとはドアーから出てしまった。その後で映像が一こまはいっていて、そこにヒントが隠されていたのだ。

ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』は2006年3月4日(土)
公式サイト NARNIA-JP.COM 

第二次世界大戦下のイギリスでロンドンがナチスの空襲で危険になり、子供たちは親元をはなれて汽車で疎開していく。このSLの汽車も鉄道ファンには見逃せないだろう。
ロンドンでは空襲が始まるとサイレンがなり、家の庭に作られた「防空壕」に家族が逃げ込む。父親は戦場。子供たちを安全な田舎に集団疎開させて、母は家にひとり残る。日本でも第二次大戦中には同じことが行われた。空襲、防空壕、児童の集団疎開と。日本は敗戦の道をつっぱしって、さらに学徒の労働、さらにさらに悲惨な戦争参加が強いられてしまった。

この年代の日本の子供たちにはナルニア国への冒険の扉なぞなかった。この年代の方々は子供のころに受けたさびしさ、敗北感、疎開先で受けた傷と共存しながら、日本経済の繁栄に寄与してくださった。今60台後半から70才台の方々ではないだろうか。数々の価値観の変遷をいやおうなく課せられ、なみなみならぬご苦労だったと思う。
ひとりでも多くの方々が長生きして幸せにお過ごしいただきたいとこの映画をみて思わずにはいられなかった。