イラクに向かうイラン軍事輸送飛行機墜落

12月7日のラジオで知った。イランの軍事輸送飛行機が墜落し、乗客、乗務員、すべてが亡くなったそうだ。
この飛行機はテヘラン発で、イランのニュース レポーター、カメラマンが68人、取材のためにイラクの向かっていた。イラクとの国境付近で飛行機の運行にトラブルが起き、急遽テヘランに戻る途中テヘラン市の10階建てのビルに突っ込み、乗客、乗員の他、地上の人も合わせて118人が亡くなった。

亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに、次のことが頭に残った。
68人ものイランのマスコミ関係者が軍の輸送飛行機でイラクに行くということ。

世界第四位の原油生産高。原油価格の高騰を我が手に握っていて、つまりは世界経済に大きな影響を与えることができる国、イラン。
イラク問題で手枷、足枷の米国はイランとの摩擦は避けるだろうといわれている。イランはそれは良く知っていて核交渉も強気だ。

イラク移行政府はイスラムシーア派が主導権を握っている。そしてイランもシーア派の国家である。米国はイランとの摩擦は回避しないと、イラクシーア派が米国から離れていくという懸念がある。

イランは、米国の弱点を見て、ロシア、EUにも強硬な姿勢をくずさない。国連の経済制裁は不可能という予測にたっている。
その方針を国民にアピールするために報道陣を軍の飛行機で送り、イラク情勢を報道することはきっと現イラン政府にとって大切なことなのではあるまいか。

今回の飛行機事故は、ずさんな飛行技術とも受け取れ、イランはライオンの皮をかぶったきつねという印象をもった人もいる。それにしてもイラン政府は報道陣をイラクにおくって、何をどう報道するつもりなのであろうか..? それは平和につながるものなのであろうか? それとも更にテロリストを温存する結果を招くものになるのであろうか?

中東の問題はほんとうにむつかしい。
ひとつ言えることは、オイル マネーという莫大な収益をアラブの一握りの層が握っているということだ。そして、その一握りのアラブ人たちは世界経済を左右できるだけの力をもっているということだ。

それはアメリカ経済を牛耳るユダヤ系の金融勢力とのつばぜり合いをこの中東で凝縮して展開しているようにしか、しろうと目には見えない。