死刑囚の恩赦は?

Mapple2005-12-02


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カリフォルニア州アーノルド・シュワルツェネッガー知事は12月13日に一人の死刑囚の死刑執行をするかしないかの決断を発表する。

その死刑囚はスタンリー ツゥキー ウイリアムス。
KNEWのニュースによると、彼はクリップス ストリート ギャング団を作り、1979年コンビニで働く若い白人の男性一人を殺して金を奪い、また別のコンビニでアジア人の夫婦と娘の3名を殺して捕まった。犠牲者たち4名はいづれもまじめに一生懸命はたらいていた人々であり、特に夫婦と娘一家皆殺しのケースは悲惨な悪質強盗殺人である。コンビニに設置されたビデオに犯人の顔が映っていたのが証拠の決め手となり死刑を宣告された。

彼はこの判決に異議をとなえ再審を訴え続けてきた。その間、若者たちにギャングになるな、悪いことをするなと訴える本を出版したり講演したり等の活動をしてきた。

カリフォルニア州高等裁判所では4対2で再審議を却下していた。被告側は凶器の鑑定のやり直しと犯行現場の証拠の再調査を依頼。目撃したといっているが自分たちの刑罰を免除される等の恩恵とひきかえにスタンリー ウイリアムスを犯人に仕立て上げたと主張している。

水曜日、最高裁ではこのケースの再審議を申し立てていた被告弁護団の申請を却下した。(The Los Angeles Times)

カリフォルニア州シュワルツェネッガー知事は12月8日にサクラメントのオフィスで ウイリアムス死刑囚が要請している恩赦に関して極秘のミーティングを持つ予定である。そして12月13日には死刑になるか、恩赦で死刑をまぬがれるかの最終決定が州知事によってくだされる。

イリアムス死刑囚にはたくさんの著名な応援者がおり、南アフリカキリスト教の指導者や、ビアンカ ジャガー(ミック ジャガーの妻)等など。かれらはウイリアムス被告の長年にわたる”アンチ ギャング”の本や講演の活動に対して恩赦すべきと訴えている。(United Press International)

死刑制度が問い直されている今、死刑そのものを考える時であるかもしれない。法律に決められたとおりにするべきだという死刑賛成者に対して、死刑制度反対者はカリフォルニア州にはかなり多い。西部劇の復讐的な考えは今はずいぶん否定的になっているが、賛成の理由には、刑を厳しくしないと悪質な犯罪があとをたたないと考える人が多いようだ。

シュワルツェネッガー知事の決断がこの死刑囚にとって最後の分岐点になる。知事が執行と決めればもう逃れようはない。恩赦となったら終身刑として服役することになる。

シュワルツェネッガー知事は恩赦にするのではないかと、これは私の憶測である。彼は野心家だから法律にしたがって死刑と決定した時のマイナスと、恩赦にした時のマイナス面を比較するに違いない。この死刑囚がアフリカン アメリカンであるということも大切な要素だ。死刑にしたら「人種差別」という旗を掲げられるだろう。これはもう致命的なものになる。いろいろ考え合わせて恩赦をとるのではないか。

第一、人間としても自分の決定でひとつの命がきえてしまうというのはかなり辛いことなのではないだろうか。
ターミネーターシュワちゃんがどういう結末をつけるのか...?
「I'll be back! 」のせりふを死刑囚がいえるのかどうか...?