カトリーナ後遺症=自殺 その1

カトリーナで大被害を受けたニューオリンズでは今おおよそ一週間に一人の割合で自殺者が亡くなっているそうだ。(KQED放送 11/16)
カウンセラーによると自殺未遂事件は毎日のこと。今日の放送では、暖炉の火が燃え移っているようだという近隣の連絡で消防士と共にカウンセラーが駆けつけた。暖炉の飛び火が鎮火された後に彼は老女と話す。彼女は酒浸りのようで、飲み捨てられた酒瓶がたくさんおいてあるとのこと。二人の会話の一部が実況で放送された。
老女は「NO!! かまわないで。来るな。私は絶対にここを動かない。どこにも行かない。」といっている。瓶がたおれるような音がする。
カウンセラーがなだめて「わかった。ではここで話そう」又何かがぶつかる音。
彼女の腕と顔の一部には大きな傷痕があるらしく、それは自分でころんでつけたものらしい。何時できたかも本人は覚えていないようだ。いろいろ話を聞いてからこの傷をちゃんとなおすという名目でようやく彼女を車に乗せて病院に連れていき精神科の医者の治療をうけることになった。彼女の家族は彼女をおいてシェルターに非難し、その後は他州のどこかの街に移り住んでもう帰ってはこないようだ。連絡もないとのこと。老女はたった一人でこの家に踏みとどまったものの家族もなく生きる気力も失いアルコールだけを飲んで何度も自殺を試みていたようだ。

こちらでは媒体に出てくる人の人種を言うは禁じられているのではっきりとは分からないが、彼女のしゃべり方と声のトーンからアフリカン アメリカンと推察される。
ニューオリンズの被災者の多くがここにはもう戻らないないかもしれない。新しい土地で仕事があればそちらに居着いてしまうだろう。残された老人はこれからどのようにクリスマスを迎えるのか。クリスマスを一人で過ごすというのは日本でいえばお正月を一人で迎えるようなもので、その寂しさに自殺者が更にふえなければいいがと懸念する。