「ドリーマー」競馬馬と少女の友情

Mapple2005-11-01


昨日はDVDで見た映画の紹介だったが、今日は劇場で見た映画の紹介をしてみよう。たった今見て帰ってきてところでラジオの記事もそこのけで紹介したくなってしまった。「ドリーマー」実話を基にした映画である。競馬馬と人間との信頼感。そして若干10才前後の馬主が見事に最高の栄誉あるブリーダース カップ クラシック出場の資格を手に入れる。宇宙戦争のあのかわいい女の子、ダコタ ファニングは今大人の女優顔負けの売れっ子ぶりで今回もすばらしい演技と、歯のぬけたかわいい少女の顔で観客を魅了した。

写真:Kurt Russell and Dakota Fanning star in DreamWorks Pictures' Dreamer: Inspired by a True Story - 2005

ベン クレインは有望な競馬馬ソーニヤのトレーナーである。レース中、勝利を目前にソーニヤは骨折してしまう。ベンのボスはソーニヤを屠殺するというが、ベンは激しく反対する。「馬は生き物だ。名前だってあるんだ。殺すことはできない」と。給料を値切られた上その場でベンは解雇される。ベンは支払いの足りない分はソーニヤをもらうということで家に帰ってくる。
-
娘のカイルは一部始終を見て知っている。骨折した馬に夜な夜なアイスキャンディーを食べさせるカイル。骨折も治り牧場で足慣しが始まった馬のソーニヤにカイルはいろいろ語りかけ、少女と馬の間にはしだいに友情が育っていく。馬が人間の話を理解しているとカイルは信じているのだ。
-
ベンはお金の工面で頭がいっぱい。ソーニヤの力を信じきることができない。この馬を売ろうとするのだが、娘のカイルは売らないでくれと泣いて父に頼む。彼女は父に言う。「私はビジネスとして手放さないほうがいいと思ってお願いしているの」と。
-
ある日ベンは娘のカイルをソーニヤの馬主にすると宣言する。契約書も作った。皆、今後は10才のカイルの元で働くことになるわけだ。カイルは父にトレーナーになってほしいと頼む。父は「何%の報酬か?」と。彼女は「10%」、父「20%」カイル「じゃあ15%」父「ディール!」と商談を成立させて父は本格的なレースのトレーニングに入る。
-
彼女の目指すものは皆をあっといわせるものだった。夢は大きいのだ。最高の栄誉あるブリーダース カップ クラシックに出場する決意を家族の前で発表するカイル。騎手は二人の使用人の一人で、かつてレース中転倒して左足が短くなってしまったメキシコ人である。カイルは「夢を捨てていない彼の言葉を信じる。」と言って彼を指名した。母はウエートレスをしながら一家を支えている。やさしい母だが「すべて失ったっていいじゃない」という潔さを持っている。このあたり、どうも娘は母親の血をひいているようだ。
-
最後のレースのシーンは手に汗を握ってしまった。劇場内にはけっこう子ども連れが多い。女の子のほうが多いようだ。後ろの列にずらっとすわっている主人公と同世代のかわいい少女たちと一緒に最後は眼を交わしながら、拍手をしながら勝利の喜びを共有してしまった。
-
父親が若干10才の娘を馬主にして、トレーナーとして娘に雇われるあたりはとってもアメリカらしい。今日この頃はアメリカの子どもたちもずいぶん甘やかされてしまってフロンティア精神が失われつつあるが、この映画が実話ということはまだまだ伝統的スピリッツが消えたとはいえないわけで、頼もしい限りである。
-
競馬馬の映画「シービスケット」よりストーリーはシンプルで少女が主人公だから出演者は皆善人。ものたりない向きもあるかもしれないが、こういう映画を見た後はぐっすり眠れる。馬も人間も心を通わせると信じられることは素敵なことではないだろうか。

Drama and Kids/Family
Running Time: 1 hr. 38 min.
Release Date: October 21st, 2005
Starring: Kurt Russell, Dakota Fanning, Kris Kristofferson, Elisabeth Shue, Freddy Rodriguez
Directed by: John Gatins