一番大切なもの

今全米からカテリーナ被災地に支援物資が送られている。世界からも義援金をいただいている。
その中で5歳の男の子がアイデアを出した支援物資がある。それはぬいぐるみ。使っていないもの、使ったもの、様々だがすでに100個以上集まって被災地の子供たちに送られるのを待っている。
なぜぬいぐるみを送ろうとおもったのか聞くと、その子はぬいぐるみは「Kids feel Safe」(子供たちは安心する)と答えた。
ぬいぐるみを抱くと安全感、安心感を抱けるとは.....。これは子供でないとわからない心理かもしれない。子供にとってはぬいぐるみはほんとうに大切なものなのだ。
その子の街の子供たちが寄付したぬいぐるみが黒いプラスティックの大きな袋にはいって、ガレージの中にたくさん積み上げられている中でのインタビュー。その子はその中のひとつを取り出してしっかり抱きながら「Kids feel Safe」と語ってくれたとか。

ニューオリーンズでは集合場所だったスーパードームの清掃に兵隊があたっている。(これはテレビより)
服、バック、ダンボール、食べ物の食べかす、飲み物のボトル。ごみ、汚物がごちゃ混ぜに散乱されて異臭放つ無残なものだ。これをどうして清掃したらいいのか頭を抱えたくなる惨状である。
日本の被災者が学校の体育館などで整然と滞在する風景からはおよそかけ離れているというか、もう比較にはならない状態である。この生活感覚でヒューストンの被災地にも滞在していると思うと一刻も早く仮施設の準備が望まれる。

親とはぐれた子供たちはたくさんのボランティアーが世話をしていて、滞在場所も清潔な施設で保護されている。
当初市長からニューオリーンズだけで1万人以上の死者との予測が発表され大騒ぎになっていたが、どうも市長の予測の10分の1以下になりそうだということで悲しい中にもほっとしている。はぐれた子供の親も徐々に見つかり親のもとに子供たちが帰れる日も近いだろうという希望もでてきた。

残留者の説得。どうしても留まるという人々に警官、兵隊があたっている。そ中の一人の女性に対話するのは、心理学と対話法の勉強を納め特訓を受けた兵隊で、玄関のベランダに腰を下ろしてじっくりと話し合う。そのうちに女性の心もほぐれてほんとうの理由をぼつぼつ語り始めた。実は家の中に11匹の犬がいたのだ。ルイジアナは知らないが、たいての州では、カリフォルニアのように飼うペットの数は制限されている。法律以上の数を飼ったり、衛生状態が悪いと施設にペットを強制移動させられる。そんな事情からかもしれない、彼女は隠していたと思われる。かといってその犬を置きざりにすることはできない。兵隊が犬も連れて行くという約束をすると、彼女はついに家の中に招きいれ犬を紹介し、避難の承諾をした。軍の水上艇に兵隊たちに混ざって11匹のワンちゃんと飼い主が乗り込んで避難地に運ばれて行った。これもテレビのニュースから。